アイドルにせよ芸人にせよ、テレビへのこだわりは少なくなっており、アマゾンやネットフリックス、アメーバTVなどネットへの露出を増やし始めています。日本人ユーチューバーの市場も、これから2、3年でアイドルや芸人に荒らされることになるでしょう。

 そして10年以内には、日本人ユーチューバーの市場がグローバルユーチューバー、例えばハリウッド俳優やセレブに荒らされることになります。世界的な知名度のあるセレブに加えて、「面白いものをパクろう」と待ち構えている数億人、数十億人。

 さらに、サバンナやジャングルに暮らす部族の人たちも、秘境の映像を毎日配信してくるわけです。そんなレッドオーシャンで、日本人ユーチューバーが存在感を示すのは、ちょっと難しいんじゃないでしょうか。

 今後ユーチューバーで食っていくことが難しくなっていくと、僕が考える理由がもう1つあります。

 それは、配信が「ナマモノ」でなくてもよくなるから。僕たちは、動画配信は生きた人間がやるのが当たり前だと思っているけど、そういう常識が崩れつつあります。

 バーチャルユーチューバーは、その先駆けでしょう。配信者の動きや表情に、CGで作られたキャラクターをかぶせて動かすのがバーチャルユーチューバー。美少女の外見をしたバーチャルユーチューバーであっても、「中の人」はおっさんだったりします。

 一昔前だったら、おっさんが美少女を演じているというのがバレたら、ファンは引いたと思うんです。だけど、ライブ配信中の事故で、バーチャルユーチューバーの「中の人」が画面に出てしまったりしても、みんなそれを面白がるようになっています。現実を「盛る」ことにみんな慣れ始めているのです。

 現在のバーチャルユーチューバーは、着ぐるみみたいなものです。仮想の「皮」をかぶった人が演じているだけですが、このあたりの技術はものすごいスピードで進歩しています。
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
 今でもCGキャラクターとのやり取りを楽しむVRゲームはありますが、人工知能がユーチューバーになる日はそう遠くないでしょう。

 人間がユーチューバーである限り、配信の頻度にも限界があります。どんなに熱心であっても、人間が作れる動画なんてせいぜい1日4本くらいが限界でしょう。でも、人工知能なら疲れることもありませんから、1日24時間365日、配信し続けられます。