2018年12月25日 13:31 公開

米マサチューセッツ州の検察当局は24日、著名米俳優ケヴィン・スペイシー氏を、10代少年に対する性的暴行の疑いで訴追したと発表した。ハリウッドの大物俳優だったスペイシー容疑者は来年1月7日に罪状認否のため出廷するという。一方の容疑者は同日、主演していたドラマの役柄になりきった様子で、身の潔白を主張するかのようなビデオをインターネットに投稿した

検察は、2016年7月に同州ナンタケットで起きたとされる事件について、スペイシー容疑者を訴追した。被害者は元ニュースキャスター、ヘザー・アンルー氏の息子。

アンルー氏は昨年11月に記者会見し、当時18歳だった息子にスペイシー氏が酒を買い与えた上で、息子の体をまさぐったとして告発していた。マサチューセッツ州で飲酒が認められるのは21歳から。

アンルー氏の記者会見に先立ち、スペイシー容疑者については昨年10月末に、米俳優が30年以上前に性的関係を持ちかけられたと名乗り出た。それ以来、類似の告発が相次ぎ、米英の警察が捜査に着手。映画の出演場面は別の俳優で撮り直しになった。主演ドラマ「ハウス・オブ・カード」は一時製作中断の後、スペイシー容疑者演じる「米政治家フランク・アンダーウッド」は姿を消したまま再開し、最終回を迎えた。

スペイシー容疑者は24日、この「フランク・アンダーウッド」を演じているかのような様子で、身の潔白を訴えているようにとれるビデオをYouTubeなどに投稿した。ドラマの「フランク・アンダーウッド」は、権力のためなら殺人も辞さない策略家だった。

容疑者は「フランク・アンダーウッド」の語り口で、ドラマでしばし繰り返したようにカメラ目線で、「やっていないことの代償など、もちろん払わない」と、見る側に語りかけている。

「証拠もないまま最悪の事態なんて信じないだろう? 事実の裏づけもないまま性急に判断などしないはずだ」、「もちろん中には、全て信じた人もいた」とスペイシー容疑者はビデオで続ける。「私が洗いざらい告白するのを聞こうと、そいつらは息を殺して待ちわびてきた」。

「やつらは私のことを、無礼だ、ルール違反だと言うだろう。私がこれまで他人のルールに従ったことがあるみたいに。そんなこと一度もしたことないのに。君はそういう私が大好きだった」

3分間の動画には「Let Me Be Frank」とタイトルがついている。これは「正直に言おう」という意味と、「フランクになろう」という両方の意味がかけられている。性的暴力疑惑が昨年秋に最初に持ち上がって以来、同氏が世間の前に出るのはこれが初めて。

米俳優アンソニー・ラップ氏が、1986年に自分が14歳だった時にスペイシー氏にベッドに連れ込まれて性的関係を持ちかけられたと昨年発言した際、スペイシー容疑者は記憶にないとしながら謝罪したものの、その後の他の疑惑については「完全」否定していた。

マサチューセッツ州の事件とは別に、米ロサンゼルス郡検察局は今年9月、1992年に起きたとされた性的暴力事件について、時効を理由に訴追を見送ると発表していた。

スペイシー容疑者は2003年から2015年にかけて、ロンドンのオールド・ヴィック劇場で芸術監督を務めた。この間に起きたとされる多数の問題行動疑惑について、英国の警察も捜査を進めている。

(英語記事 Kevin Spacey: Actor charged with sexual assault in Massachusetts