2018年12月27日 12:30 公開

中国政府は26日、国家政権転覆罪に問われている人権派弁護士、王全璋氏に対する裁判を開始した。

王氏は、中国政府が2015年に何百人もの弁護士や活動家を弾圧した際、行方不明となっていた。拘束されながら、起訴も釈放されないままの活動家や弁護士はまだ複数おり、王氏もその1人だった。

王氏は政治活動家や、中国政府が禁止している気功集団「法輪功」の信者を弁護していたほか、スイスの人権活動家と共に活動していた。

天津市の裁判所の外には厳戒態勢が敷かれ、警察が王弁護士の支援者たちを追い出す様子もあった。

王弁護士の妻、李文足さんは北京市の自宅を警察に囲まれ、裁判の傍聴を妨害されたと話した。李さんは2015年に王弁護士が失踪して以来、王氏に会っていない。

このほか、ジャーナリストや外国の外交官なども裁判所への立ち入りを禁止された。

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裁判所の外には活動家が集まり、看板を掲げたりスローガンを叫んで王氏を支持していたが、公安当局によって現場から排除された。

ツイッターには、「天津の裁判所前で王全璋への支持を叫んだ活動家の楊春林を、警察が黒い車に押し込んだ」という動画が投稿された。

https://twitter.com/pakwayne/status/1077766002807496704

王弁護士は国家政権転覆罪に問われている。訴状によると、王氏はスウェーデンの人権活動家ペーター・ダーリン氏などと共に「反政府軍の訓練」を行っていたとされる。

中国で人権活動家らに法的支援を提供する団体で働くダーリン氏は今年1月、3週間にわたって中国で拘束された。

ダーリン氏は26日、所属団体と王氏が一緒に活動した際の関連書類を全て保管していると話し、「国家転覆を企んでいたという疑いを晴らすのに必要な書類は全て公開する」用意があると述べた。

人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルの調査員ドリアン・ラウ氏は、12月26日という裁判期日は中国当局が「意図的に決めた」もののようだと指摘した。

ラウ氏はAFP通信の取材に、「当然ながら世界の多くの地域が休暇に入っているので、対応できない」と話した。

2015年7月9日に起きたことから「709事件」と呼ばれている中国政府による弁護士弾圧は、習近平国家主席の政権下で反体制に対する不寛容が広がってきた兆候だと活動家たちは見ている。

709事件では200人以上が拘束され、多くが懲役刑や執行猶予、禁錮刑などを科せられている。

(英語記事 Police lockdown at Chinese lawyer trial