2018年12月27日 12:53 公開

ドナルド・トランプ米大統領とメラニア・トランプ夫人は26日、事前通告なしでイラクの米軍基地を訪問した。

大統領夫妻は「クリスマスの夜遅く」、米兵らの「奉仕、成功、そして犠牲」に感謝するためイラクを訪れたとホワイトハウスは発表した。

ロイター通信によると、トランプ氏はイラクから撤退する計画はないと語った。

しかし、予定されていたトランプ氏とイラクのアデル・アブドゥル・マフディ首相の会談は中止された。マフディ首相官邸は、会談実施のやり方をめぐり合意できなかったためと発表した。代わりに両氏は電話で会談したと官邸当局は付け加えた。

20日にはジム・マティス国防長官が、辞任を表明。中東地域の戦略に関してトランプ氏と方針の対立が理由とみられている。

過激派組織「イスラム国」(IS)残党との戦闘でイラク政府軍を支援するため、アメリカは現在もイラクに約5000人の米兵を駐留させている。

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トランプ氏訪問の様子

トランプ氏、メラニア夫人、そしてジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、大統領専用機「エアフォース・ワン」で、イラクの首都バグダッド西にあるアル=アサド空軍基地を訪問。基地の食堂で米兵たちと面会した。

大統領就任後初めてイラクを訪問したトランプ氏は、基地に3時間ほど滞在した。

大統領が食堂に入ると、兵士たちは立ち上がって拍手と歓声で迎えた。トランプ氏は食堂内を歩いて米兵を激励したり、セルフィー(携帯電話での自撮り)に応じてポーズを撮ったり、サインを書いたりした。

トランプ氏は訪問の理由について、IS撃破の支援について、個人的に感謝を米兵に伝えるためと述べ、「僕が大統領になった2年前、彼ら(IS)は非常に支配力を持った組織だった。いまやもう、それほど支配的ではない。素晴らしい仕事だ」と付け加えた。

またトランプ氏は26日夜、ツイッターを更新。「大統領夫人のメラニアと私は、イラクのアル=アサド空軍基地にいる素晴らしい兵士たちを訪問できて、光栄だ。アメリカ合衆国に神の祝福を!(太字は原文で大文字強調)」と投稿した。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1078026520021544960


トランプ氏はクリスマス期間を米フロリダ州に個人所有するゴルフ場で過ごす予定だったが、一部政府機関が現在閉鎖しているため、首都ワシントンに留まった。

トランプ氏が語ったこと

「皆さん、我々はもはや、いいカモじゃない」とトランプ氏は米兵に語った。「国として、再び尊敬されている」。

ロイター通信によると、「シリアで何かしたいと思ったら」アメリカはイラクを前線基地として使用する可能性があると、トランプ氏は語った。

またトランプ氏は訪問で、「僕の考え方に、たくさんの人が同調しようとしている」と述べ、シリア撤収の決定を擁護した。

「僕は最初から、シリアでの僕たちの使命は、ISIS(ISの別称)の軍事拠点を解体することだと明白にしていた」

「8年前、3カ月のつもりで僕たちはシリアに行き、ずっとそのまま居残った。今のやり方は正しいし、これで終わらせる」

トランプ氏はさらに、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領との会話についても語った。エルドアン大統領は、シリアからの米軍撤退の決定に影響したと考えられている。

「エルドアン大統領と良い話し合いをいくらかしたした。エルドアン氏はISを打ちのめしたいと思っており、そうする予定だ。他の人もそうするだろう」とトランプ氏は語った。

「我々がいるのは(トルコなどの)地域だ。向こうが費用負担をすべきなのに、そうしていない」

米軍撤収は遅滞なく進むだろうとトランプ氏は述べ、アメリカは「世界の警官のままではいられない」と付け加えた。

「負担が全て我々合衆国持ちなのは公平ではない」とトランプ氏は述べた。

「我々と我が国の素晴らしい軍を自衛に利用する国に、これ以上付け込まれるのを、僕たちは望まない。向こうは金を払っていないが、今後は払うことになる」

大統領はさらに、この地域の米軍訪問は数週間前に予定されていたものの、当時は安全上の配慮から実現しなかったと話した。

シリア撤収はなぜ問題か

トランプ氏は先週、シリアからの米軍撤退を決定したと発表した。

しかし、トランプ氏を支持してきた米共和党幹部や複数の海外主要国は、シリアのISは敗北した、米軍撤退は復興につながる可能性もあるという大統領の主張に異議を唱えている。

マティス国防長官は辞表で、トランプ氏の見方を共有しないと書いた。

ISとの戦いを主導してきた米外交官高官の1人で、対IS国際有志連合の調整役を務めてきたブレット・マガーク米大統領特使も、すでに辞意を表明している。マガーク氏はトランプ氏の決定について、「連合の仲間を混乱させ、共に戦ってきた勢力を困惑させた」、「方針の大転換」と呼んだという。

シリアでISと戦闘している少数民族クルド人主導の連合勢力、シリア民主軍(SDF)も、ISが勢力を回復する可能性があると警告している。

シリア北東部の過激派勢力は大半が撃退され、米軍は撃退を支援してきた。しかし、場所によっては戦闘員がまだ残っている。

(英語記事 Donald and Melania Trump visit US troops in Iraq in Christmas trip