服部勇馬(25、トヨタ自動車)が2時間7分27秒の好タイムで12月2日の福岡国際マラソンを優勝。今年に入って日本新を更新した設楽悠太(26、ホンダ)、大迫傑(27、ナイキ・オレゴンプロジェクト)らとの2020年東京五輪のマラソン男子代表の座を巡る争いは、混沌としてきた。

 3つある五輪出場枠のうち2つを一発勝負で決めるのが来年9月の「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」だ。陸連指定のレースで所定のタイムと順位をクリアする必要があり、服部、設楽、大迫ら21人が出場権を得ている。

 ところがそのメンバーに、箱根駅伝4連覇中の青学大OBが1人もいないのだ。福岡で29位に終わった3代目“山の神”の神野大地(25、セルソース)をはじめ、一色恭志(24、GMOアスリーツ)、下田裕太(22、同)ら“箱根路の元スター”が出場権を得られていない。

 「かつては、“大学が(1区間20kmの)箱根の練習ばかりさせるからマラソンが弱い”といわれてきたが、設楽と服部は東洋大、大迫は早稲田大で駅伝の大エースだった。なぜ青学大OBは伸びないのか」(スポーツ紙デスク)

 その原因は何か。陸連のマラソン部長を務めた経験を持つ旭化成陸上部総合監督・宗猛氏はこういう。

「個々人の特性もあるから、原因を一言でいうのは難しい。重要なのは選手それぞれが課題克服の練習をしているか。服部選手も、35km以降を苦手にしてきたので、後半にスピードを落とさないためのメニューにしたと、トヨタの佐藤(敏信)監督から聞きました」

 “マラソンで勝つため”の練習が重要なのだ。
出雲駅伝で2年ぶり4度目の優勝を果たし、記念写真に納まる青学大の選手。左端は原晋監督=出雲ドーム
出雲駅伝で2年ぶり4度目の優勝を果たし、記念写真に納まる青学大の選手。左端は原晋監督=出雲ドーム
 青学大で指導する原晋監督は、2016年に在学中の下田がマラソンに挑戦し、10代日本新を更新した際、「将来性を見越してリオ五輪代表にすべき」と提言するなど、“ビッグマウス”で日本マラソン界をざわつかせてきた。結果的に下田は選出されず、東京五輪代表選考は原監督にとってもリベンジの場となるが、現状ではむしろ青学大OBたちは“マラソンでの将来性”を発揮できていない状況である。

 MGC出場権が得られるレースはあと3つ。原監督の教え子から、切符を掴む選手は出るのか。

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