しかも、地球温暖化で、気象が「凶暴化」している。海水からエネルギーを得て強くなる台風も、かつては日本近海の海水温が低かったので、弱まってから日本に近づいたが、これからは強いままで日本を襲う可能性が高い。

 また、今までにない大雨や、今まで日本では少なかった竜巻の被害も増えつつある。これらも地球温暖化の影響である。

 例えば、2014年夏に起きた広島市安佐南区の地滑りも、かつてないほどの大雨が原因だった。戦後に広島市が膨張して、60年以上も「無事に」暮らしていたところが、今までにない大雨による地滑りが起きてしまったのだ。この災害で77人が死亡した。死者・行方不明者が230人を超えた18年7月の西日本豪雨も、今までに日本ではなかった豪雨の影響である。

 竜巻も今までにない被害を起こしている。06年には北海道佐呂間(さろま)町でトンネルの工事をしていた作業員など9人が死亡した。

 これは日本だけの話ではない。近年、欧州でも中東でも北米でも、大規模な洪水や干魃(かんばつ)や森林火災が続いている。これは、地球規模での温暖化がさまざまな形で起こしているせいだ。

 阪神・淡路大震災も、その5年後に起きた鳥取県西部地震も、同じM7・3で同じような直下型地震だった。しかし、被害のありさまは大きく違った。これには地盤の良しあしもあるが、都会ほど地震に弱いということが反映している。

 18年6月の大阪北部地震では、地震保険の支払額が阪神・淡路大震災を上回った。死者の数で災害の規模を表すのは不謹慎だが、大阪北部地震では5人、阪神・淡路大震災では6400人以上である。つまり、都会ほど災害に弱いことを如実に示している。

 富士山の最後の噴火である宝永噴火では、2時間で江戸に火山灰が降って5~8センチも積もった。噴火では心配なことが多い。コンピューターに欠かせないハードディスクが動いている狭い隙間に火山灰が入りこんだら、大いに悪さをする。そもそも、交通も通信も金融も水道も、コンピューター頼みの現代では、江戸時代にはなかった大災害を引き起こす可能性が大きい。火山灰は尖(とが)ったガラスの粉だから、コンタクトレンズと目の間に入ったら角膜を痛めてしまう。
豪雨で水に漬かったままの岡山県倉敷市真備町地区の住宅地=2018年7月8日(小型無人機から)
豪雨で水に漬かったままの岡山県倉敷市真備町地区の住宅地=2018年7月8日(小型無人機から)
 自然災害は首都圏など大都市圏に大きな被害をもたらす可能性がある。人口密度が高く、そのうえ、木造住宅密集地帯を多く抱えている都会では、将来の被害がとても大きいものになることが心配されている。

 地震や火山噴火が多くて災害を受けやすい日本列島が、これからも襲って来る地震や火山噴火だけではなく、「気象の凶暴化」によって、さらに脆弱(ぜいじゃく)になっている。地震も火山も、そして気象災害も、文明の進歩に伴い、被害が大きくなるに違いないのである。