2019年01月15日 13:19 公開

サジ・チョウドゥリー、BBCスポーツ

引退を表明しているテニスのアンディー・マリー選手(イギリス、31)は14日、全豪オープンの初戦でロベルト・バウティスタアグート選手(スペイン)と対戦し、6-4、6-4、6-7、6-7、6-2で敗退した。

4時間9分に及んだ今試合でマリー選手は2セット先取されたが、続く第3セットと第4セットで素晴らしい巻き返しを見せ、観客をわかせた。しかし、最終セットはバウティスタアグート選手に奪われた。

マリー選手は試合後、「もしこれが現役最後の試合なら、素晴らしい終わり方だ」と話した。

「持てる全てを出したが、届かなかった」

英スコットランド出身で元世界ランキング1位のマリー選手は11日の記者会見で、今年7月のウィンブルドンを最後に引退する予定だが、体調不良のためこの全豪オープンが現役最後の大会になるかもしれないと話していた。

しかし14日の試合後のインタビューでは、再び全豪オープンに戻ってくる機会はあると語った。

「もしかしたらまたここで試合ができるかもしれない。あらゆることを試してみるつもりだ」

「現役に復帰するには大手術を受けなくてはいけないし、それで戻って来られる確証はない。でも最善を尽くそうと思う」

見事な追い上げも勝利ならず

バウティスタアグートには過去3回の試合で全勝していたマリーだったが、14日の試合では苦戦を強いられた。

第2セットを取られた時点で観客の多くは、この試合がイギリス最高峰のスポーツ選手の1人にとって今大会最後の試合はおろか、現役最後の試合になると思ったに違いない。

バウティスタアグート選手が第3ゲームで先制点を取った時点で、その予感は確信に変わったかに思えた。

しかし、マリーはこれまで、根気と粘り諦めの悪さの上に、キャリアを築いてきた選手だ。直後に点を取り返し、タイブレークで第3セットを制し、続く第4セットも奪った。

第5セットもその勢いが続くかと思われたが、勝利は巻き返しを見せたバウティスタアグートの手にわたった。

<分析>マリー選手の抱えるジレンマ ――ラッセル・フラー、BBCスポーツ・テニス編集委員(メルボルン)

15年間のプロ生活の中で、マリー選手はいくつかのどんでん返しを見せてくれた。そして今夜、熱狂する観客の前でもう一度、2セットリードされてからの追い上げを見せようとした。

第3セットと第4セットはさまざまな意味で、彼のキャリアを凝縮したものだった。

マリー選手は喜びの雄たけびを上げた。いら立ちの叫びも上げた。

テニスコートを縦横に走り、素晴らしいディフェンスを見せた。そしてチャンスが訪れると、得意技で撃ち返した。

彼はもはや臀部(でんぶ)の故障をかばう必要がない。そこにはあえて危険に身を投じる1人の男がいた。

そして今、マリー選手はジレンマを抱えている。今後4~5カ月の間、自分を真綿でくるむようにして大事をとり、ウィンブルドンでのさよなら試合に備えるか。それとも、生活の質向上につながる手術を受ける代わりに、センターコートでのアンコールを危険にさらすか。

ライバル選手からの賛辞

試合後のインタビューの最中、ロジャー・フェデラー選手、ラファエル・ナダル選手、ノヴァク・ジョコヴィッチ選手といったマリー選手のライバルたちによるメッセージ動画が流れた。

「ラファやロジャー、ノヴァクといった選手たちがいる時代に戦えたのはとても幸運だった」とマリー選手は話した。

「僕たちはとてつもない戦い、素晴らしい試合をしてきた。僕たちがテニスをやめても、テニスファンたちは覚えていてくれるだろう」

「仲間たちへの尊敬の念は、最も大切なことだ。彼らがこの動画のために時間を割いてくれて嬉しい」

(英語記事 Murray loses epic in possible farewell