1月9日、扶桑社が同社のサイト上に「週刊SPA!の特集記事についてのお詫び」を掲載した。このニュースは海外にも発信され、CNNの報道には「Japanese tabloid apologizes for women's university 'sex listing'」との見出しがついた。

 この問題に関する「しんぶん赤旗」(1月12日付)の記事に、私はこうコメントした。

 90年代前半に『週刊SPA!』編集長を務めたライターのツルシカズヒコさんは「週刊誌の醍醐味は水面下の動きをとらえ時代の一歩先を行くこと。ところが出版不況のなか、女性の裸や性を『売り』にした記事があふれ劣化が進んでいる」と指摘します。「キオスクにも置かれる『週刊SPA!』に性犯罪まがいの記事を載せた社会的責任は重大で、#MeToo運動の世界的潮流のなか厳しい批判を浴びるのは当然だ」とします。

 出版科学研究所のリポートによれば、2017年の電子出版を除く書籍・雑誌販売額は前年比6・9%減の約1兆3701億円。内訳は書籍が同3・0%減の7152億円、雑誌が同10・8%減の6548億円。私が『週刊SPA!』編集長をしていた、90年代半ばの雑誌販売額は約1兆6000億円だった。当時と比較すると、現在の雑誌販売額は1兆円も減少している。

 『週刊SPA!』の発行部数は10万9115部(2018年4月時点、日本雑誌協会)。発行部数だけでも全盛期の3分の1。厳しいのは理解できるが、なぜ同誌はこんなにも変貌してしまったのか。

 私は『週刊SPA!』の渡部超(わたなべ・とおる)発行人(51)にインタビューを試みた。1月14日の夜、場所は扶桑社の会議室。渡部氏らが女性たちとの対話をした後だった。

 渡部氏は1992年に扶桑社に入社し、93年から『週刊SPA!』編集部に在籍。副編集長(2003年~)、編集長(08~13年)を経て、現在はSPA!部門を統括する第二編集局長である。『週刊SPA!』にかかわり続けて26年。私が編集長時代の編集部員でもあった。

   「渡部さん」と呼びかけると、昔のように「超(ちょう)でいいですよ」と、彼は言った。

――超は発行人だけど、『週刊SPA!』の編集にはどんなかかわり方を?

渡部 会社には自由にやらせてもらっています。編集権を尊重してくれていて、その全権限は編集長にあります。しかし、組織としての会社ですから、編集長にアドバイスできる立ち場にあったのは私です。社を代表して大学の実名入り「ランキング」を控えさせることができたのは唯一、私だけでした。
『週刊SPA!』の特集=一部画像処理しています
『週刊SPA!』の特集=一部画像処理しています
――あの号が出る前に、問題になっている記事の存在は知っていた?

渡部 はい。「ランキング」には違和感を持ちました。