2019年01月22日 11:47 公開

ウクライナ南部クリミア半島沖の、黒海とアゾフ海を結ぶケルチ海峡近くで21日、タンザニア船籍の貨物船2隻が絡む爆発・炎上事故が発生した。当局は、これまでに少なくとも11人の死亡が確認されたと発表している。

貨物船「キャンディ」(別名ヴェニス)にはトルコとインド出身の乗員17人が、もう一方の貨物船「マエストロ」には14人が乗船していた。

貨物船の1隻は、ガス燃料を積んでいた。爆発が起きた直後に火災が発生し、もう1隻に燃え移ったと報じられている。

ロシア連邦海洋河川輸送局のアレクセイ・クラフチェンコ報道官によると、最初の出火は、1隻からもう1隻へ燃料の移し変えを行っている最中に起き、複数の乗組員が海に飛び込んだ。

ロシアの救助隊が、船外に避難したタンザニア船籍の乗組員の救助活動を進め、これまでに14人が救助された。

報道によると、ロシアの救助隊が海中でもがく3人を目撃したというが、死亡した可能性が高いという。

AFP通信は、それぞれの貨物船の船長はどちらも緊急信号を発信しなかったと伝えている。

クリミア半島ケルチの市当局は、犠牲者の受け入れ準備を進めている。

当局によると、出火当時の2隻は黒海の「中立」な公海を航行中だった。

貨物船2隻の名前は、アメリカ財務省の一覧に記載されていて、シリアに石油を輸送したとして制裁対象だった可能性がある。

アメリカは2011年に、シリアのバシャール・アル・アサド大統領がシリア国民に対し「継続的な残虐行為」を行っているとして、対シリア制裁を強化した。


ケルチ海峡はロシアとウクライナ間の緊張の焦点となっている。

昨年11月、ロシアが黒海とアゾフ海を結ぶケルチ海峡近くでウクライナ海軍艦3隻を拿捕したことで、両国の緊張が高まっている。

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ロシアの裁判所は、ウクライナ軍艦の乗組員24人全員について、ロシア領に不法侵入したとし、勾留を3カ月延長するよう命令した。

ウクライナはロシア側の決定を強く非難し、ウクライナ軍艦がこの地域の航海法に違反していないと主張している。ケルチ海峡はウクライナ南部のクリミア半島の沖合いにあり、ロシアは2014年に併合した。

(英語記事 Deadly blast hits cargo ships off Crimea