2019年01月28日 15:49 公開

中国・天津の裁判所は28日、人権派弁護士の王全璋氏(42)に国家政権転覆罪で4年6カ月の実刑判決を言い渡した。

王氏は政治活動家や土地接収の被害者、政府が禁止している気功集団「法輪功」の信者を弁護していた。

2015年に中国政府が何百人もの弁護士や活動家を弾圧した際に逮捕されたが、昨年12月まで裁判が行われていなかった

中国はここ数年、人権派弁護士の取り締まりを加速させている。

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裁判所は王氏を国家政権転覆罪で有罪とし、「4年6カ月の禁錮刑のほか、5年間の政治的権利のはく奪」を言い渡した。

裁判は非公開で行われ、ジャーナリストや外国の外交官なども裁判所への立ち入りを禁止された。

中国研究者で「The People's Republic of the Disappeared(失踪人民共和国)」の著者マイケル・キャスター氏はBBCの取材に対し、今回の裁判は「習近平国家主席による人権と法コミュニティーの侵害を象徴するもの」だと話した。

キャスター氏は判決公表後、「中国国内で権利保護や市民社会の拡大を訴えるコミュニティーは当然怒っている。こうしたコミュニティーではもう長いこと、習政権による侵害とそれに対する抵抗のシンボルとして、王全璋氏とその妻・李文足さんを支援してきた」と語った。

「国連の恣意的勾留に関する作業部会では、王氏の勾留を恣意的なものと認定した。つまり国際法上では、王氏はまず起訴されるべきではなく、よってどんな判決も受けてはならないことになる」

また、人権団体アムネスティ・インターナショナルはこの裁判を「いかさま」と呼び、判決は「非常に不公正なものだ」と批判した。

アムネスティの中国研究員ドリアン・ラウ氏は「王全璋氏中国で、人権のために平和的に立ち上がったことで罰せられるのは許しがたい」と述べている。

2015年7月9日に起きたことから「709事件」と呼ばれている中国政府による弁護士弾圧は、習近平国家主席の政権下で反体制に対する不寛容が広がってきた兆候だと活動家たちは見ている。

709事件では200人以上が拘束され、多くが懲役刑や執行猶予、禁錮刑などを科せられている。

北京で取材するBBCのジョン・サドワース記者は、王弁護士の逮捕から3年半、家族は弁護士の生死も分からない状態におかれていたと説明。弁護士が今回有罪になったのは、共産党が支配する司法制度に中国の法律そのものを使って対抗しようとしたからだと指摘する。

「共産党は近年、態度を明示してきた。立憲主義や司法の独立といった概念は、危険な西洋式理想なのだという立場だ」とサドワース記者は書き、今回の判決も「ぞっとするようなその主張を補強するためのものだ」と解説している。

(英語記事 China jails rights lawyer Wang Quanzhang