2019年01月28日 15:44 公開

トランプ米政権は27日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の盟友で富豪のオレグ・デリパスカ氏(51)とつながりのあるロシア企業3社への経済制裁を解除した。

米財務省が経済制裁を解除したのは、アルミで世界第2位のルサールのほか、複合企業En+グループと電力大手ユーロシブエネルゴ社。デリパスカ氏が3社の経営権を手放したからと説明している。デリパスカ氏自身の米国内資産凍結など、本人への制裁措置は継続する。

財務省によると、ルーサルなど3社はデリパスカ氏との関係はないと証明するため、引き続き「広範な監査の継続」を受け入れると合意した。

デリパスカ氏は2016年米大統領選に対するロシア当局の介入疑惑に関与した疑いがもたれており、野党・民主党は制裁継続を求めていた。

財務省は昨年4月、世界各地におけるロシアの「悪質な行動」で利益を得ているとする個人や企業への制裁を発動。その際に、ルサールなど3社が含まれた。「悪質な行為」の対象には、2016年大統領選介入のほか、国際的なサイバー攻撃も含まれた。

しかし今月初めに、与党・共和党が多数を占める連邦議会上院で、ルーサルなどデリパスカ氏関連企業への制裁継続を求める動議が否決された。上院共和党とトランプ政権は、ルサール制裁は世界のアルミ産業に悪影響を与えると主張。さらに、デリパスカ氏が各社の保有数を減らしたことで経営への影響力が薄まっているのはこれまでの制裁の効果だとして、制裁継続の必要はないと強調した。

デリパスカ氏が筆頭株主だったEn+グループは、米政府による制裁解除の知らせを歓迎した。ロンドン証券取引所に上場している同社の株価は、昨年4月の制裁発表で急落して以来、回復していない。同社会長のバーカー卿は、「ロンドン上場ロシア企業の独立役員会が、少数株主の強力な支持を得て、米制裁政策への直接的反応として、経営権を筆頭株主から取り上げることに成功した。これは初めてのことだ」とコメントした。

一方で、ロバート・ムラー特別検察官が2016年大統領選のロシア疑惑を捜査している渦中で、デリパスカ氏の関係企業への制裁を解除することについて、米与野党からは不適切だという批判の声が上がっている。

今月半ばにはベラルーシ出身のモデル、ナスティア・リュブカ氏が、デリパスカ氏からロシアによる米大統領選介入の証拠を入手したと主張し、ロシア警察に一時拘束された。

デリパスカ氏はモデルの告発を否定し、リュブカ氏はデリパスカ氏に謝罪した。

トランプ氏はロシアとの結託はないと一貫して主張し、ロシア政府も大統領選への介入を否定している。一方で、米情報機関は介入があったと断定している。

(英語記事 US lifts sanctions on Putin ally's firms