「女子テニスに新しいスターが誕生」「世界1位になる可能性を秘めている」「テニス界の未来を体現する存在だ」

 大坂なおみ選手(20才)が、元世界女王で過去23回もグランドスラムを制したセリーナ・ウィリアムズ選手(36才)を破り、全米オープンテニスで優勝を果たした9日(日本時間)、国内外のメディアはこぞって彼女の快挙を報じた。

 決勝は彼女にとって戦いにくい試合だった。セリーナ選手は主審に違反を指摘され猛抗議。ペナルティーでゲームを失うと、彼女の優勝を期待する観客から大ブーイングが起こった。表彰式でも再びブーイングが起こる中、大坂選手は「皆さんがセリーナを応援しているのはわかっています。こんな終わり方でごめんなさい」と涙ながらに語った。

 米メディアはセリーナ選手の抗議や観客らの態度を酷評。「全米テニスが大坂選手にしたことは恥ずべきこと。これほどスポーツマンシップに反する出来事は記憶にない」などと批判する記事を掲載した。

 逆に、“神対応”が称賛された大坂選手について、日本メディアも大きく持ち上げた。だが、どのメディアも触れていない盲点がある。

 それが国籍問題だ。彼女は、ハイチ系アメリカ人の父と日本人の母を持つ。大阪で生まれ、3才の時にアメリカに移住し、現在はフロリダ州在住。日米の二重国籍を持つが、テニスプレーヤーとしてはこれまで“日本人”を選択してきた。

 「彼女は2016年のリオ五輪前から“東京五輪は日本代表として出場してメダルを取りたい”と公言している。今年4月の国別対抗戦フェドカップでは、日本代表として戦ったことで、実質、東京五輪で米国代表を選ぶことはなくなったとみられています。オリンピック憲章では、一度、その国を代表した選手は、3年が経過しないと他国の代表になれないためです。彼女は日本企業の日清食品に所属していますし、このまま国籍も日本を選ぶとみられています」(スポーツ紙記者)

 しかし、そうも楽観視できない現状がある。

 「日本の法律では22才になるまでにどちらかの国籍を選ばなければなりません。つまり、それまでに彼女の気持ちが変われば、アメリカ人になる可能性もゼロではないのです。実際に2年前に、アメリカは大坂の父親に対して“あらゆる面倒を見る”とアプローチをかけたことがある。その時は日本を選んだが、大坂の今の実力、そしてアメリカも若手が育っていないことなどを考えると、今後、アメリカが大坂に本気で再接近することも充分考えられます」(前出・スポーツ紙記者)
大坂なおみの全豪オープンテニス優勝を喜ぶ祖父鉄夫さん=2019年1月、北海道根室市
大坂なおみの全豪オープンテニス優勝を喜ぶ祖父鉄夫さん=2019年1月、北海道根室市
 アメリカはグランドスラムの開催国であり、日本よりも環境が整っている。大坂選手は日本語は聞き取ることはできるが、しゃべるのは片言。何より日本にほとんど住んでいない彼女が、日本国籍を選ぶハードルは、決して低いものではない。

 大坂選手が22才になるのは来年の10月。それまでにどういった選択をするのか。現在の心境を北海道根室市に住む、大坂の祖父・鉄夫さんに代弁してもらった。

 「東京五輪には、日本代表として出場したいという気持ちは変わっていないようです。ただ国籍については、直接本人に聞いたことがないので、ぼくには断言できませんな。まぁ、じいさんには関係ないことだからね(笑い)。でも日本人として、この先も試合に出続けてくれたら嬉しいね」

 ぜひ、日本人として初となる金メダル、世界ランク1位を目指してほしい。

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