自分の商売道具を使いこなす高度な専門知識を持つだけではない。アイデアがほとばしり出て他の人とは全く違う視点で見て、状況に応じてカメレオンのように視点を変える知識労働者をいう。

 従来型企業だと、知識労働者のほとんどは専門分野には秀でているが、能力に幅がない。しかし、グーグルのスマート・クリエイティブは新種のタイプで、常に問題を見つけて解決しようと嗅ぎ回っているという。

 経営学者のピーター・ドラッカーは、成功している企業は時代に適応した「基本と原則」を保持していると指摘した。グーグルの場合、経営の「基本」は、こういう新種のエンジニアを存分に働かせること、「原則」は「ユーザーを中心に考えること(創業者ラリー・ペイジ)」だ。

 このような独創性の高い企業文化が優秀な人材を引き寄せ、顧客サービスを日々更新させて企業の成功を持続させる。反対に、社長がユニークでも、基本と原則が欠け、揺らぎ続けるなら、当初の輝かしい成功も線香花火で終わるだろう。

 GAFAの圧倒的な市場支配を前に、日本の企業はプラットホームビジネスにどう挑んでいくか。IoT(モノのインターネット)の進展を見据えたフィジカル(実世界)の製造業に大きなチャンスがある、と筆者はみる。

 GAFAの事業モデルは、インターネットを駆使してデータを集めて活用し、広告などで儲けるというものである。サイバー上(仮想空間)が活動舞台で、リアルの世界を引き込んで、利用者に有益な活用をしてもらうのだ。
(ゲッティ・イメージズ)
(ゲッティ・イメージズ)
 ところが、このサイバー手法にも限界がある。企業情報にしろ個人情報にしろ、すべてのデータのうちサイバー上で収集できるのは限られている。有力なテクノロジーを持つ企業なら、資金などの基本条件をクリアすれば、フィジカル世界と深く結びついたプラットホーム構築が可能だ。

 パナソニックが昨秋発表し、今年から実用化する「ホームX」は、この方向を目指している。各種メーカーの家電や住宅設備をネットにつなぎ、AIを使ったOS(基本ソフト)で機能を統御、アップデートしていく。

 たとえば「おはよう」というシーンを設定してこれを押しておくと、朝の起きたい時間に好きな音楽が流れ出し、明かりがついて、気分よく目覚めるといった仕掛けができる。家や職場のリアル空間で「暮らしを向上させる」プラットホームのニューモデルだ。そこではスマートフォンに代わって壁に掛けるディスプレーが、操作のツールとなる。

 東芝も企業再建に向け、電力や産業機械・設備分野で稼働状況の見える化や遠隔監視を実現するプラットホーム作りに意欲を見せており、遅れをとっていた日本勢も、IoT活用型を軸にようやく本腰を入れてきた。