初期のオンラインショッピングの例として私が思い出すのは、NTTデータの「まちこ」である。3次元仮想空間を使った会員制バーチャルモールで、1997年4月1日にサービスを開始した(図2)。その時点で、出店企業は52社、商品数は約1千、会員は約7千人で、そのうちの約40%が女性と発表された。
図2 まちこ(1998年当時のサイトイメージ)
図2 まちこ(1998年当時のサイトイメージ)
 「まちこ」は3次元の仮想空間を、アバターとなって巡り、買い物をするという先進的なシステムだったが、出店の数も会員の数も、今と比べれば本当にわずかだった。当時は「日本人は通販が嫌い」などとまことしやかに言われたものだ。

 しかし、通信技術の向上とともに、オンラインショップの利用者はぐんぐん伸びてきた。筆者らが行ってきたWIP(World Internet Project)調査(無作為抽出、郵送調査、全国)から、その有り様をみたのが図3である。

 2000年時点ではオンラインショッピング利用者は全体の1割未満しかいないのに対して、2018年には7割を超えている。2018年にはインターネット利用率も9割を超えているので、ネット空間もリアル空間と変わらない日常的な空間と感じられるようになったのかもしれない。

 また、図4には年代別オンラインショッピング利用頻度を示した。これによれば、男女を問わず、30〜40代の利用が最も多いようである。
図3、図4 オンラインショッピング利用についてのWIP調査結果
図3、図4 オンラインショッピング利用についてのWIP調査結果
 しかし、市場が拡大すれば、さまざまな問題も起こる。

 最近のZOZO(旧名:スタートトゥデイ)をめぐる動きはその典型的な例だ。

 ZOZOは、2004年にファッション・オンラインショッピングサイトZOZOTOWNを開設した。ZOZONAVIなど斬新なサービスで注目を集め、2007年に東証マザーズへ上場、2012年には第一部に市場変更した。図5に示したように、オンラインショッピングサービスのリーチ(18ー64歳)のトップ3にはまだ届かないものの、18ー24歳の女性層では第3位につけている(図6)。
図5、図6 オンラインショッピングサービスの利用
図5、図6 オンラインショッピングサービスの利用
 ZOZOは2016年、GMOペイメントサービス株式会社のツケ払いサービス「GMO後払い」を開始し、業績を大きく向上させた。2017年には、採寸用ボディスーツ「ZOZOSUIT」とプライベートブランド(PB)「ZOZO」を発表して、また注目を集めた。

 しかし、前者は購買力の低い消費者を過剰な消費に誘導する恐れがある。後者はシステム開発力、商品開発力など、プラットホームビジネスとは別の企業努力が必要とされるが、まだ十分な評価は得られていないようである。PBブランドが出店企業のブランドを損なう、と考えられることもあるだろう。