さらに2018年12月には会員制の割引サービス「ZOZOARIGATO」がスタートした。ユーザーは年額3000円もしくは月額500円を支払えば、購入時に10%割引が受けられる。しかし、これに反発したオンワード、ミキハウス、4℃などが次々と撤退し、さらなる「ZOZO離れ」が危惧されている。

 一方、ZOZOの前澤友作社長は元ミュージシャンという肩書からも連想されるように、ワイン、高級車、現代アートなどのコレクターとしても知られるなど、自らのカリスマ性を顕示するような行動が多い。

 ツイッターで炎上騒ぎを起こしたり、芸能人との交際で雑誌やネットを騒がせたりもしている。2018年9月には月への旅行を予約したことでも話題を呼んだ。2019年1月には、1億円お年玉企画を実施し、ツイッターのリツイート数が530万(1月12日時点)を超えて世界一の記録を更新した。

 重ねて2019年1月13日には、「3歳のおうちゃんを救いたい」とツイートして、病気の子供への支援を呼びかけた。こうした行動に、喝采を送る人もいるが、批判もある。

 プラットホーム戦略はどうあるべきなのだろう。

 プラットホームビジネスでは、個々の出店企業とプラットホームの関係は微妙である。両者の関係は、以下の三つに場合分けできるだろう。

 ①出店企業のブランド力と、プラットホームのブランド力がうまく拮抗(きっこう)し、相乗効果で売り上げ上向きのベクトルを生成するならば、プラットホームと出店企業の双方がウィンウィンとなる。(図7

 ②プラットホームのブランド力が出店企業を圧倒するならば、出店企業はプラットホームへの依存が強くなり、プラットホーム側から出店企業への要求が強くなる。結果、出店企業の利益は薄くなり、出店企業の撤退が進む。撤退が増えれば、プラットホーム全体が立ち行かなくなる。(図8

 ③プラットホームのブランド力が出店企業を下回るならば、出店企業はプラットホームに魅力を感じなくなり、出店企業は撤退する(あるいはそもそも出店しない)。出店が減れば、プラットホーム全体が立ち行かなくなる。(図9

図7、図8、図9 プラットホームと出店企業のバランス
図7、図8、図9 プラットホームと出店企業のバランス

 つまり、プラットホームビジネスでは、常に①の状態が保たれていなければならない。しかし、ビジネス環境も消費者の嗜好(しこう)も常に変わる。変化に対応するために、プラットホーム側も出店側も常時新たな戦略を繰り出していく必要がある。

 それぞれの戦略によって、①の状態は、すぐに②や③に変わる。②や③を①の状態に戻すために、プラットホームも出店も、一瞬も気を抜くことなく、状況に適合する戦略を生み出していかなくてはならない。プラットホームビジネスは、そんな過酷なダイナミズムの中にあるのだ。