この視点からZOZOの戦略を考えると以下のようになるだろう。

a. ツケ払いサービスは、一見便利そうだが、焦げ付きが生じたり、消費者を疲弊させたりで、市場自体を衰退させる恐れがある。

b. ZOZOSUITはシステムの改善が必要である。

c. PB開発は、うまくできれば、プラットホームのイメージアップにつながる。ただし、リスクもあるので、十分に戦略を練る必要がある。

d. 会員制値引きサービスは、他のプラットホームでも何らかの形で行われることが多いが、出店企業の(ブランドイメージというより)利益率を下げるために反発が大きい。

e. 経営者のカリスマ性をアピールすることは、成長期には認知度や求心力を高めるために有効だが、かなり汎用(はんよう)性が高いカリスマ性でない限り、イメージに合わないと反発を招いたり、ターゲットの幅を狭めたりするリスクがある。

 これらの検討から言えることは、プラットホームビジネスは変化と相互性によって繊細に躍動するダイナミックなビジネスであるということだ。「一寸先は闇」の世界であるとも言える。このハイリスク性が、ハイリターンも生み出し、また市場競争の熾烈(しれつ)化によって、消費者に利益をもたらすともいえる。

 この危険なゲームを楽しめるか否かは、事業者の資質にもよるのだろう。
あいさつするZOZOの前澤友作社長=2018年11月、東京都内(共同)
あいさつするZOZOの前澤友作社長=2018年11月、東京都内(共同)
 もっとも、プラットホームビジネスは、インターネット社会が初めて生み出したものではない。本稿の冒頭にも述べたように、露天商の世界にも競り市の世界にもバザールや門前市の世界にも常にあった、人類の業ともいえる生業だ。近くは百貨店の盛衰、さかのぼれば香具師(やし)の元締めなど、歴史に学ぶことでビジネスセンスを磨くことができるかもしれない。