実際、両内親王は、のびやかで思いやりがあり、かつ自立心のある素晴らしい女性に成長されたと、多くの人が認めている。しかし、2人が適齢期を迎え、そのお相手を巡り、少なからず暗雲も立ち込め始めたのも確かなようだ。

 皇室典範第12条は「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」とあり、皇室会議でのお相手の審議などは義務付けられていない。「皇室を離れるのだから、特に審議は不要である」という考えなのだろう。

 戦前であれば、内親王は皇族に嫁ぐものとされ、明治天皇の4人の内親王は適齢のお相手がいないため、新たに竹田宮、朝香宮、東久邇宮を創設したほどである。昭和天皇の長女も戦前に結婚したため、東久邇宮家に嫁いでいる。

 しかし、戦後当初は旧華族の鷹司家、池田家、島津家などに嫁いだが、近年になって今上天皇の長女、紀宮清子内親王は、東京都の職員で旧華族家の流れではない黒田慶樹氏に嫁いだ。黒田氏は清子さんの兄である秋篠宮文仁親王の後輩にあたり、そうした縁があったという。

 いずれにせよ、内親王の結婚相手も一般市民となり、かつ皇室会議の審議もないので、今後は内親王の結婚もより自由で制約のない形になっていくかと思われた。そうした中で、眞子内親王の「騒ぎ」が起きたわけである。

 確かに、日本国憲法第24条の条文が存在するとはいえ、一般社会においても、婚姻は個人の問題ではなく、両家や両家につらなる親族などとの関係も強く作用してくる。このため直前に破断となった事例も少なくないはずだ。戦後日本では、憲法の条文と必ずしも一致しない慣習的な判断が諸方面に残るのも事実だ。そのため、法的には問題がなくとも、世論や雰囲気で実現されないことがしばしばある。案件によっては、憲法を超えた根強い慣習法が影響を持つ場合もあるようだ。

 今回の眞子内親王のご結婚へ向けての法的な問題は、たぶん存在しないであろう。そもそも皇族女性が、婚姻で皇籍を離れること自体、認められているし、そのお相手に関する条件については何もない。皇室会議の審議も不要なのである。
米国に出発する小室圭さん=2018年8月7日、成田空港
米国に出発する小室圭さん=2018年8月7日、成田空港
 それでは、いったい何が問題なのか。小室圭氏の母親とかつて交際していたという男性との間の金銭トラブルが一番の原因としてあり、そのことの処理を巡る対応がうまくいっていないことにあろう。

 おそらくは、皇族女性の婚姻相手も皇室会議での審議を義務づけられていたら、今回のような問題は事前に把握されていたろうし、しかるべき対応がなされたであろう。「フリーパス」であったがゆえに、かえって世論の奔流に巻き込まれ、それへの対応がさらに問題視されるという泥沼への道が始まったのであろう。