戸部田誠(ライター)

 完璧な会見だった。1月27日に行われたアイドルグループ、嵐の活動休止会見である。

 会見場に姿を見せた嵐の服装はスーツではなく、カジュアルなジャケット。どこまでも軽やかで、品がある嵐らしさを醸し出していた。5人はカメラ前に並ぶと口元を緩ませ笑顔を見せた。

 「活動休止」の発表となると、ネガティブなものがつきまとう。けれど、この報告はそういった種類のものではないのだと、言葉を発する前から表現したのだ。

 最初にリーダーである大野智が「2017年6月中旬ごろ、メンバー4人に集まってもらって自分の思いや気持ちを話させていただきました。自分の嵐としての活動をいったん終えたいと。自分の思いとしては、自由に生活をしてみたいとメンバー4人に伝えて、その後、何度も何度も話し合いを重ね、期限を設けて、2020年をもって、嵐を休止するという形になりました」と自らが言い出したことであることも包み隠さず、簡潔かつ具体的に説明。その後、記者の質問を受け付けるという形だった。

 その受け答えも、全方位に配慮が行き届いている。気が利いている。

 何度となく「何年くらい休むのか」「活動再開はいつ頃か」と未確定で答えようのない質問がされ、大野智が答えに窮していると、「決まってないでしょ? 決まってるなら教えて(笑)」と松本潤が助け舟を出しつつ、場を和ませる。

 「ケンカや言い合いになったりということは」という、いかにもセンセーショナルな言葉を引き出そうという質問にも、二宮和也が「『ケンカしてた』って、書くんだからもう(笑)」と返すと、すかさず相葉雅紀が「ウソでもしておけばよかったなぁ」と笑いを取っていく。
嵐活動停止について会見するメンバー(左から)相葉雅紀、松本潤、大野智、桜井翔(櫻井翔)、二宮和也 =2019年1月27日、東京・赤坂のジャニーズ事務所(撮影・戸加里真司)
嵐活動停止について会見するメンバー(左から)相葉雅紀、松本潤、大野智、桜井翔(櫻井翔)、二宮和也 =2019年1月27日、東京・赤坂のジャニーズ事務所(撮影・戸加里真司)
 一方で「無責任という指摘もあると思う」という相手には、毅然(きぜん)とした表情を見せつつ櫻井翔が丁寧な言葉で反論する。また、この質問者が批判にさらされていることに対しては、その後の1月28日の『news zero』で「あのご質問をいただいたおかげで、結果としてきちんとわれわれの思いの丈が、温度を乗せて伝えることができた」と「温度を乗せた」という表現で感情が動いたことを認めつつ、フォローも忘れない。

 また、こうした決断を下した際、誰かを悪者にしがちな風潮にくぎをさすように「僕らは一人がやりたくないと言うときは、その理由をみんなで徹底的に話し合い、共有して、決断するので、もしもリーダーが悪者になっているように見えているのであれば、それはわれわれの力不足だと思います」(二宮)とグループのスタンスを示しながら牽制(けんせい)した。

 さらに、この活動休止が前向きな決断だと強調しつつも「あまり前を向きすぎずに、向き合っていきたい。前を向かれすぎるとツラいと思うのでファンの方の顔を見ながら、向き合いながら、やっぱり嵐っていいなと思っていただける2年にしたい」(二宮)と前向きになれないようなファンにも配慮した。