2019年02月11日 14:51 公開

米民主党エイミー・クロブシャー上院議員(58、ミネソタ州選出)が10日、2020年の大統領選挙への出馬を表明した。

元検察官のクロブシャー氏は、「自分の仕事を評価されたいと思っている人たち」のために出馬すると述べた。

同氏は、ブレット・キャバノー米最高裁判事と司法長官に指名されたウィリアム・バー氏を公聴会で厳しく追及し称賛された。

共和党のドナルド・トランプ米大統領に対抗するため、多くの民主党議員が2020年大統領選へ名乗りを挙げる中、クロブシャー氏も5人目の女性議員として候補者争いに加わった。

クロブシャー氏は、「私には集票組織はない。資金もない。しかし、私には根性がある」と述べ、人々に自身の「地元に根付いた」選挙運動への参加を呼びかけた。

これまでに候補者争いに名乗りを挙げた女性はエリザベス・ウォーレン上院議員(69、マサチューセッツ州)、カマラ・ハリス上院議員(54、カリフォルニア州選出)、タルシ・ガバード下院議員(37、ハワイ州)、カーステン・ジリブランド上院議員(52、ニューヨーク州)の4人。

ウォーレン上院議員は自身の大統領選挙運動の初日に、支援者に対し「2020年になる頃には、ドナルド・トランプは大統領でさえないかもしれない。さらには自由の身ですらないかもしれない」と述べた。

エイミー・クロブシャー上院議員とは?

民間企業で弁護士を務めた後、1998年にミネソタ州でもっとも人口の多い郡、ヘネピンの主任検察長に就任した。

それから8年後に、同氏は女性として初めてミネソタ州の上院議員に選出された。

クロブシャー氏は長年、自身の超党派主義に誇りを持ってきた。2015年の同氏の回顧録には、「不快にならずに異議を唱える」ことができるとつづられている。

この回顧録でクロブシャー氏は、「勇気とは、この国の改善の為に、通常あなたが同意できない相手の隣に立っても構わないと思っているかどうかということだ」と書いている。

同氏に「ミネソタ・ナイス」(礼儀正しく、控えめで穏やかなミネソタ州の人々の振る舞い)であることへの高い評価を与えたのがこのアプローチだ。

一方このアプローチによって政治家になって間もない頃に、口の中で溶けて消えてしまう綿菓子になぞらえた「コットンキャンディー・エイミー」という手厳しいニックネームを付けられたのだという。

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昨年9月、クロブシャー氏はキャバノー氏の飲酒習慣をめぐり、緊迫したやり取りを交わしたことが話題になった。

今年1月には、トランプ大統領から司法長官に指名されたバー氏の司法妨害容疑をめぐり、バー氏を厳しく追及したため、クロブシャー氏の率直な追及スタイルは一度限りではないということが証明された。

一方、クロブシャー氏の元従業員も同氏の「ミネソタ・ナイス」のイメージに異議を唱えており、少なくとも将来性のある選挙スタッフ3人が不当な扱いを理由に離職したとハフィントン・ポストの取材に話した。

クロブシャー氏の政治観

政治的見解が280字に要約され、リツイートで評価されるこの時代に、出しゃばらずにせっせと働くことで評判を得たクロブシャー氏は、候補者の仲でも抜きん出ている。

同氏は昨年の中間選挙で、ミネソタ郡での43票をトランプ側から自分側へとひっくり返すことに成功した。

しかし、現在進歩派が支配している党の中において、超党派主義的アプローチは同氏をそれほど良い立場に立たせることはできないかもしれない。

例えば、同氏はトランプ大統領の移民や国境政策に反対する発言をしている一方で、米移民税関捜査局(ICE)を廃止する運動への支持は表明していない。

候補者指名争いの相手のジリブランド上院議員とウォーレン上院議員はICE解体を公に呼びかけ、ハリス上院議員は「批判的に再検討」する必要があると述べた。

クロブシャー氏はまた、一般に「Medicare for All(万人のための医療保険制度)」として知られるバーニー・サンダース上院議員による「単一保険制度」は支持しない代わりに、「思慮深い移行」を求めている。

左派の多くはまた、米大学の授業料をより手頃な価格にすることを推進している同氏の教育改革は十分に行き渡らないと感じている。

ハリス氏、そしておそらく反対派のサンダース氏は、いずれも大学の授業料をほぼ完全無料化することを支持している。


<解説>ダークホース候補――アンソニー・ザーカーBBC北米記者

クロブシャー氏のキックオフ集会は、凍りついた川のほとりに雪を被った群集が集まり、まるでディズニー映画「アナと雪の女王」のワンシーンのようだった。しかし、同氏の新たな大統領選出馬表明は、2020年を過熱させるかもしれない。

同氏には他の候補者ほどの知名度はないかもしれないが、ミネソタ州で3期目当選を果たした同氏には、2016年にドナルド・トランプが注力していた中西部の選挙区から票を集める力がある。

クロブシャー氏が提示する安定した思慮深い政治的見通しは、イデオロギー的な純粋さよりも当選の可能性に関心を持つ民主党有権者の大多数を引き付けることができる。

自身のスタッフに対して暴力的に振舞っていたという最近の申し立てにより、同氏の勢いはやや弱まってはいるが、この批判を力に変えようとするかもしれない。

クロブシャー氏は演説の後、NBCニュースに「私は自分のために働く人々に大きな期待を寄せている」、「私はこの国に大きな期待を寄せている」と語っている。

クロブシャー氏は「ダークホース」候補として話題の人物だ。お隣のアイオワ州での会合で健闘を見せ、予備選挙の時期へ弾みをつけたとしても驚きではないだろう。


(英語記事 Minnesota Democrat to run for president