2019年02月13日 16:53 公開

イギリス中銀イングランド銀行のマーク・カーニー総裁は12日、英下院議員に対し、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)の難局を解決するよう求めた。世界経済への影響が拡大する恐れがあると警告している。

総裁は、特に中国経済が減速し、通商面での緊張が高まっている今、欧州連合(EU)との合意がないままに離脱することは「経済的な衝撃」をもたらすと指摘した。

その上で、ブレグジットの解決策を見出すことは、「全ての人の、そしておそらくあらゆる国の利益になる」と述べた。

英中銀はすでに、ブレグジットの諸問題を理由に今年のイギリスの経済成長率見通しを1.2%と、前回予測の1.7%から下方修正している。

ロンドンで講演したカーニー総裁は、貿易摩擦とブレグジットは「グローバリゼーションの再編を求める根本的な圧力の表れ」で、EU離脱は世界全体の成長を妨げるものだと述べた。

「より包括的で強じんなグローバル経済のために、新しいルールを作ることもできる。一方で、世界各国が内向きになり、全体の成長や繁栄を妨げる危険もある」

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カーニー総裁はまた、EU離脱は「非常に高い不透明感」を生み出しており、「企業は大きな決定を保留している」と指摘した。

そのため、良い離脱協定と円滑な移行を確保することがイギリス経済には重要だと述べた。

「合意なしブレグジットはイギリスにとって経済的な衝撃となり、世界にグローバリゼーション再編の警鐘を鳴らすことになる。それは遺憾なことだ」

世界経済への懸念

カーニー総裁によると、世界の経済成長率は2016年に4%に達して以来、「全ての地域」で減速傾向にあるという。

成長率は今後、安定する見通しだが、中国での景気減退や貿易摩擦の拡大、自国第一主義が障害となる可能性がある。

「中国の国内総生産(GDP)が3%縮小すると世界の経済活動が1%、イギリスとアメリカ、そしてユーロ圏のGDPがそれぞれ0.5%落ち込むとイングランド銀行はみている」

さらに、「アメリカと全ての貿易相手国の間で関税が10ポイント上がれば、アメリカ経済の2.5%、政界経済の1%が損なわれる」との見通しを示した。

その上で総裁は各国の政治家に対し、こうした経済リスクを無視するのではなく、解決に当たってほしいと訴えた。

「世界経済の経済的・金融的な不均衡はなお、世界経済衰退の種にはなっていないようだが、グローバル経済の勢いは衰えている」と、総裁は懸念を示した。

(英語記事 Carney warns of no-deal 'economic shock'