これは日本経由のニュースで知った。私はおかしいと思い、日系、中華系、フィリピン系やアメリカの報道機関数社に問い合わせた。その結果、事実関係の確認がとれず、最後に韓国系報道機関や関係者に問い合わせたがわからない。

 新聞で名前が出ていたDistrict 10のHerb J. Wesson Jr.とDistrict 4のTom LaBongeのホームページ、ブログ、そして最近のロス市役所が発行しているCity Eventなどを調べた。だが、それらしきものが見あたらない。

 どうもさっぱりわからないのだが、断言できるのは、この出来事が韓国人コミュニティー以外では話題にならなかったということだ。そこで私は市会議員に問い合わせることにした。

 人口約390万人のロサンゼルス市には、市会議員が15人しかいない。日本のような区会議員という余計な議員も過剰な人数もいない。当時、市議の人種構成は黒人が3人、ヒスパニックが2人、白人が10人。コリアタウンは2つの選挙区にまたがっているので、該当地区の2人の市議にも問い合わせて調べてもらった。

 黒人の退役軍人、元州下院議員のウエッソン市議、白人のベテラン、ラボンジ市議。この2人には韓国コミュニティーのサポーターも多い。両議員ともコリアタウンの一部を地盤にしており、特にウエッソン市議の票田はコリアタウンの広範囲に及ぶ。その後、私のもとに韓国新聞の写しが送信されてきたが、そこにはウエッソン市議とキム・ヨナのツーショット写真が掲載されていた。

 記事には「キム・ヨナに名誉市民の称号を贈呈した」とあった。この名誉市民の称号がくせ者である。

 このレベルの称号は過去、何千人にも贈呈していると思うが、そのリストを公表したことはない。記録されず、記憶していた人だけが覚えている。何の権限も認知度もなく、韓国系以外の市民の99・9%は知らないだろうし、知らされていない。

 どうも、これは韓国人コミュニティー向けのプレスリリースでしかないようだ。ウエッソン市議もラボンジ市議も、ちょっと韓国人コミュニティーに貸しを作っておき、選挙の時に協力してもらいたいだけのことだ。市議会が満場一致で可決したとあるが、もしそれが真実なら、他の市議が反対する理由がなかっただけのことだ。

 韓国人はロスの広範囲に住んでいるから、反対すると韓国人に何をされるかわからない。それに満場一致で可決と言っても、15人しかいないので、可決という大げさなことではなく、電話で了承してもらうか、事後報告で十分だったのだろう。別に不正なことをやっているわけではないのだから。

 それを、韓国人は大げさに報道したのだ。だいたい、当時のビラレイゴーサ市長との写真がない。どこかに出張に行ったのかな? 顔出しするほど重要だとは思っていなかったのだろう。市長のホームページのTop Story(トップの話題)にも、キム・ヨナの件はリストアップされていなかった。

 この一件はロサンゼルス・タイムス他のアメリカの新聞でも報道されなかった。日系、中華系の新聞でも何もなく、静かなものだ。
ロサンゼルス市庁舎(ゲッティイメージズ)
ロサンゼルス市庁舎(ゲッティイメージズ)
 ウエッソン市議のホームページでもこの件は紹介されていない。市議会のホームページでも、この議題(名誉市民、キム・ヨナの日)に関して何の記録もなく、話題にもなっていない。肝心の韓国系は報道しているのだろうが、私は見ていない。

 韓国系のインターネットニュースではよくこういった記事を紹介しているが、未確認情報を日本語に訳してまで報道しないでいただきたい。ハングルだけにしてもらいたいものだ。

クリス・みやけ 1952(昭和27)年、鳥取県境港市で生まれる。アメリカ生まれ(帰米2世)で柔道家の父親のもとで育つ。1963年、アメリカ・ロサンゼルスへ渡る。在米期間、通算40年。日米で俳優活動を行ったのち、整体ビジネスを経営。北米日台同盟会長、「LA・日本をよみがえらせる会」代表。グレンデール慰安婦像設置を反対し、国際政治学者・藤井厳喜氏と共に慰安婦像設置を阻止した。海外から日本に向けて発信するオピニオン・リーダーの一人。