2019年02月14日 13:27 公開

日本各地の同性カップル13組が14日、結婚する権利を求めて一斉提訴に踏み切った。原告側は、同性同士の結婚を禁止するのは、憲法が保障する「婚姻の自由」や「法の下の平等」などの権利を侵害していると主張し、違憲性を問う。損害賠償も請求した。

もし裁判所がこの訴えを認めれば、将来日本で同性婚が許可されることになる。

日本は主要7カ国(G7)の中で唯一同性婚を認めていない国だが、複数の調査結果によると国民の間では強く支持する声が多い。

日本国憲法第24条第1項では「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」すると定められている。政府はこれまで一貫して、この条文は同性カップルの婚姻を想定していないと解釈してきた。

しかし原告の弁護団は、憲法の条文は強制的な結婚を防ぐことを意図したものであり、同性婚を明白に禁止する内容は何もないと反論している。

非常に保守的な社会

日本各地で13組の同性カップルが、バレンタイン・デーの2月14日を提訴の日に選んだ。

その中の1組、日本人の中島愛さん(40)とドイツ人のティナ・バウマンさん(31)は2011年にドイツ・ベルリンで出会った。

ドイツで数年間暮らした後、日本に移り住んだ。同性カップルにとって日本とドイツでの暮らしは全くの別物だった。

中島さんはBBCに、「日本社会というのはもともと非常に保守的な社会だ」と話した。

2人の仲間の多くは、自分が同性愛者だと公表することを恐れ、パートナーを家族はおろか友人たちからも隠している。

日本は伝統を重視する国だが、世論調査によると若者の大半が同性婚を支持しているという。

2015年以降、複数の自治体が同性カップルを公的に認定する証明書を発行しているが、法的拘束力はなく、結婚と同じような法的地位を認めるものではない。あくまでも企業側に平等な待遇を与えるよう呼びかけるものにすぎない。

中島さんは、若い人は同性婚を圧倒的に支持しているが、年配者の多い政治家は変化に抵抗しがちだと言う。

原告団は、今回の提訴で自分たちの苦労に世間の注目が集まるだけでなく、同性婚の権利実現は実際に可能かもしれないと期待している。

中島さんは、最高裁まで争う用意があると話す。「その場合は、結論が出るまでに5年以上かかるかもしれない」。

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認められない「婚姻関係」

2人はドイツで結婚してすぐ、現在暮らす横浜市にも結婚関係を認めるよう働きかけたが、ドイツでの同性婚は日本では承認されなかった。

これは2人にとって、具体的な問題を意味する。現在バウマンさんは学生として日本に滞在しているが、卒業後も日本で生活を続けるには新たなビザが必要になる。

婚姻関係があれば配偶者としてビザが発行されやすいが、同性婚の場合はそうはいかない。

問題はこれだけにとどまらないという。

バウマンさんは「ドイツでは、同性愛者だと打ち明けることも、自分が1人の個人として選ぶ方法で生活することもずっと簡単」だと言う。

「一方、日本での性役割はもっと伝統的で、女性は結婚して出産するものと期待されている。多くの場合、出産すれば仕事を辞めるものだという思い込みさえある」

中島さんたちの友人の多くは、阻害されることを恐れて、同性愛者だということを家族に打ち明けていない。

性的指向を明かすことは「追放されるようなもの」なのだと中島さんは話す。

「人生の多くの側面に影響する。たとえば、同性カップルとして家を借りようとしても拒否されるかもしれない。あるいは、不動産物件を購入するためのローンを組むこともできないかもしれない」

「ほとんどあらゆる状況で、問題にぶつかる」

バウマンさんも、「日本で騒ぎたてるより、ドイツに移住しろと批判されることもある」と明かした。

それでも2人は結局、自分の信念のために立ち上がることの方が大事だと決心した

今回の訴訟は、同性カップルの結婚がいずれ日本で認められるようになるまでの、長いプロセスの最初の1歩になるだろう。

(英語記事 Gay couples sue Japan over marriage rights