2019年02月18日 12:20 公開

早起きして活動する「朝型」の人と夜に活動的になる「夜型」の人では、学校や職場の稼働時間の脳の働きが異なることが、イギリスの大学の研究で明らかになった。

学術誌「Sleep」に掲載されたこの研究では、午前2時半に寝て午前10時15分に起きる夜型の人と、午後11時前に寝て午前6時半に起きる朝型の人の脳をスキャンして働きを比べた。

その結果、午前8時から午後8時までの時間帯では、夜型の人の脳内では集中力を司る領域の活動が少ないことが分かった。また注力が散漫になる、反応が遅くなる、眠気といった傾向がみられた。

研究チームは、夜型の人は典型的な勤務時間の「制約」で不利な状態にあると指摘した。

学校や職場の稼働時間は、夜型の人にとって体の自然なサイクルではない。研究チームは、こうした状況が健康に与える影響をもっと調査する必要があると呼びかけた。

「体内リズムと戦っている」

研究ではまず、朝型と夜型、計38人の休息時の脳の働きを核磁気共鳴画像法(MRI)で測定した。

その後、午前8時から午後8時にさまざまなテストをこなしてもらい、眠気の度合いを報告してもらった。

朝型の人たちは朝早い時間のテストで最も眠気が少なく、反応も速かった。またこの時間帯、夜型の人よりもテストの成績が格段に上だった。

一方、夜型の人たちが最も眠気が少なく、反応が早かったのは午後8時台だった。しかしテストの成績は、この時間帯でも朝型の人と比べて非常に良いということではなかった。

朝型の人たちは、良い成績と眠気の少なさを示す脳の領域が、常に極めて活発だった。このことから研究チームは、夜型の人の場合は、典型的な日中の勤務時間中には同じ脳の領域の神経結合が阻害されている可能性があると指摘した。

研究を主導した英バーミンガム大学人間脳健康センターのエリース・フェイサー=チャイルズ博士は、こうした結果が出たのは「夜型の人はずっと、自分本来の生活リズムを曲げて生きているからかもしれない」と話した。

「夜型の人は学校に行くために早起きし、その後も仕事のために早起きする。日常的に個人的な好みや体内リズムと戦わなければならない」

その上で、学校や職場の稼働時間に合わせることが夜型の人たちの健康や生産性にどう影響しているかを理解するのは、「きわめて重要」だと述べた。

研究者によると、人類の40~50%は遅い時間に寝て午前8時20分以降に起きるのを好んでいるという。

「午前9時から午後5時という典型的な平日の稼働時間だと、夜型の人の午前中の生産性は落ち、脳の注意力を司る領域の神経結合が減り、日中の眠気を引き起こす可能性がある」と、フェイサー=チャイルズ博士は指摘する。

「時間をもっと柔軟に管理できる社会であれば、生産性を高めると同時に健康リスクを下げるという長い道のりを歩むことができるかもしれない」

フェイサー=チャイルズ博士によると、この研究で明らかになった脳の神経結合の違いは損傷ではなく、回復可能なものだという。

一方で、この研究の限界も指摘されている。

この調査では午後の脳の働きを測定していない。またライフスタイルの違いなど、研究では取り上げられていない要因が結果を左右している可能性もある。

キングス・コレッジ・ロンドンの脳神経学者アレックス・ネズビット博士は、この研究によって人の脳の働きは時間帯だけでなく体内時計にも左右されるという証拠が新たに増えたと話す。

「多くの人が『9時5時』のルーティンを課せられている中、こうした要因が重要だということがどんどん明らかになっている」

研究チームは、朝型と夜型の違いが脳のほかの領域に与える影響についてもさらなる研究が必要だと述べている。

(英語記事 'Owls' and 'larks' brains differ - study