田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)

 立憲民主党の辻元清美衆院議員は、同党の国会対策委員長の重責を担い、マスコミへの露出も多い政治家である。それだけではなく、客観的データがないのであくまで感想レベルだが、日本の政治家の中で、デマなどで最も誹謗(ひぼう)中傷されている議員の一人ではないか。

 完全に対照的な政治的立場にいると目される自民党の杉田水脈(みお)衆院議員と、インターネット界隈では「両翼」といっていいかもしれない。ただし、2人を大きく超える安倍晋三首相という「別格」がいることも忘れてはならない。

 辻元氏も自身に対するデマの多さは問題視していて、彼女の近著の題名『デマとデモクラシー』(イースト・プレス)はまさにその象徴だし、辻元氏のホームページにも同氏についての「10大デマ」についてきちんとした反論がある。

 率直に言えば、ひどいデマが多すぎる。デマやフェイク(嘘)では、政治も政策も何もよくはならないことをぜひ理解してほしいと、その10大デマを見ていて思った。

 デマや誹謗中傷はもってのほかだ。ただし、辻元氏に対するネット上での批判には理由がないわけではない。

 今日の立憲民主党の国会運営における主軸であり、世間に向けての大きな論点は、今に至るも森友・加計学園問題である。最近では、これに厚生労働省の統計不正問題が加わった。

 両方とも安倍首相本人の関与か、もしくは「首相官邸の圧力」があったことを、立憲民主党を中心とした野党は問題視している。先に結論を書けば、モリカケ問題もそうだったが、今回の統計不正問題も安倍首相の関与や圧力は事実としてない。
2018年11月、パーティーであいさつする立憲民主党の辻元清美国対委員長(酒巻俊介撮影)
2018年11月、パーティーであいさつする立憲民主党の辻元清美国対委員長(酒巻俊介撮影)
 例えば、今統計調査のサンプル入れ替えが、官邸の「圧力」があったために行われ、それが賃金水準の「かさ上げ」に至ったとする見方がある。統計調査のサンプル入れ替えは、公開された委員会で審議され、そこで統計的手法の問題点なども議論されてきた。何の不透明性も、そこにはない。

 いわばデマ、嘘の類いだ。だが、辻元氏らは、この問題を国会の貴重な時間をまさに「浪費」して、政治的な観点で政権批判を繰り返すことに大きな役割を果たしている。