この点については、多くの識者が指摘しているように、辻元氏だけに発生する問題とはいえない。政治資金規正法では外国人からの献金を禁じている。

 だが、どんな国会議員でも、現在の制度では、献金を日本人が行ったのか外国人が行ったのか分かりづらく、完全には防ぎようがない。そのため、辻元氏には、ぜひこの問題を率先して国会で審議する道をつくるべきだと思う。

 だが、どうもその種の動きはない。あるのは、全く事実に基づかない「疑惑」だけに依存した「官邸の圧力」を審議しようとする「国会の浪費」である。

 もう一つは、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)との政治的な関係である。一部報道にあるように、大阪市内の生コン製造会社でミキサー車の前に立ちふさがって業務を妨害したなどとして、威力業務妨害容疑で同支部執行委員長の武建一被告らが逮捕、起訴された事件である。この武被告と辻元氏との関係が特に注目されている。

 『夕刊フジ』や『デイリー新潮』などで、両者の関係が政治献金などの繋がりを含めて問題視されている。この関係について、辻元氏は説明をする必要があるのではないか。

 ちなみに、私が今回、あえて辻元氏の政治的姿勢や政策論の一部について取り上げたのは、この関生支部との関係が気になったからである。政治的立場は異なるが、筆者と同じリフレ政策を主張する立命館大の松尾匡(ただす)教授や、穏健な人柄で国際的にも著名なマルクス経済学者の東京大の伊藤誠名誉教授、そして大阪産業大の斉藤日出治名誉教授らが、この武被告の主導する「関生型労働運動」を代替的な経済モデルの一つとして評価していたからだ。

2018年11月、自身のパーティーで出席者にあいさつする立憲民主党の辻元清美国対委員長(酒巻俊介撮影)
2018年11月、自身のパーティーで
出席者にあいさつする立憲民主党の
辻元清美国対委員長(酒巻俊介撮影)
 今回の論考を書くために、彼らの文献をはじめ、武被告の発言や著作を読んだ。また、労組に過度に期待する者は、今回の逮捕劇を「権力vs労組」でとらえていることも知った。だが、一般の国民は、今回の逮捕劇が罪の存否を含め、司法の場で裁かれるべきものだと考えているだろう。

 辻元氏が、過去に支援を受けた組織の大規模な逮捕劇、さらには関生支部の活動を今どのように評価しているのか、筆者はその点を聞いてみたい。少なくとも、それを明らかにしないようでは、「辻元氏はずっと他者の疑惑には厳しく、自分には甘いダブルスタンダードである」という批判から逃れることはできないのではないか。