不審者に遭遇した時、小学生の7~8割が抵抗できないという。だからこそ被害に遭わない習慣が大切。犯行が起こりやすい場所や時間の傾向を知って対策を立てよう。

 不審者に遭遇した時に抵抗できた子の割合だ。中学生以上でも、半分以下。年齢が下がるほどさらに難しくなる。ならば、最初から被害に遭わないようにするしかない。科学警察研究所犯罪予防研究室室長の島田貴仁さん(「」内以下同)は、こう提言する。

「まず、どんな時間帯、どんな場所、どんな状態だと不審者に会いやすいかを、親子ともに知ることが第一です」

 警視庁の調べによると、小学生が狙われやすいのは、平日の午後4時頃。つまり、下校後に塾や友達の家に行く時などが多い。狙われやすい場所は、集合住宅の場合、階段や廊下、エレベーターだ。

 この時間に出かけるな、この場所に行くなというわけではなく、いつもより気をつけようという意識を持つことが大切なのだ。

「犯罪者の約36%が、被害者が1人でいたから狙ったと答えていますが、実際は子供が2人以上でも被害が起きています。子供だけで出かける時は特に注意し、行く場所は必ず聞き、帰宅時間も決めておくのがおすすめです」

 連れ去りは一瞬だ。帰宅時間が5分遅れたら、車で市区外まで連れて行かれているかもしれないし、無事帰ってきたとしても何かあった可能性がある。

「性的犯罪の通報率は2割以下と非常に低く、ほとんどが声を上げられないまま泣き寝入りをしていることを知っておいてほしい」

『警察白書』によれば、略取誘拐事件は毎年100件前後報告されているが、未遂や報告に上がってこない分を考えると、実際に起きているのはさらに多いといわれている。特に子供の場合、親を心配させる、怒られるのではないかと話せず、ますます心の傷を深めるケースも少なくない。

未遂であっても110番する癖を

 島田さんは、万一被害に遭った場合、また遭いそうになった時でも、ためらわずに通報してほしいと強調する。

「怪しい人物や車を目撃しただけでもいいんです。気軽に110番してください。警察側としても、知らせてもらうメリットは大きいのです。

 子供や女性への声かけなどは、ある場所で一度起きると、遠くない将来、同じような場所で犯罪が起きるということが最近の研究でわかりました。そうなると、1件でも多く、少しでも早く情報を知らせてもらった方が、警察としても警戒しやすいのです」

 そうはいっても、性被害は人に話しづらいケースが多い。110番がしづらい時や、事件から日数が経った時は、全国統一の性犯罪被害相談電話を活用してほしい。

「『♯8103』を押すと、発信した地域を管轄する各都道府県警察の性犯罪被害相談電話窓口につながります」

 対応するのは、犯罪被害者の心理について教育を受けた専門家。未遂でも、時間が経っていても、電話をかけることで、次に狙われる子供の被害防止につながるかもしれない。勇気を出してダイヤルしてほしい。

関連記事