有田芳生(参院議員)

 「沖縄県と政府の溝」という質問に回答を求められれば一言で表現できる。「本土による沖縄差別」である。

 琉球(りゅうきゅう)王朝と日本との長い歴史をさかのぼると、1度目は17世紀の薩摩藩による侵攻と支配、2度目は1879年の琉球処分、3度目が沖縄戦を経た米国による支配、4度目は1972年の本土復帰後も続いている沖縄への差別構造である。単なる言葉の問題ではない。

 沖縄本島や八重山諸島などの住民あるいは出身者に対し、政府や本土の日本人による差別がいまだ連綿と続いているのだ。「沖縄県と政府の溝」を埋めようとするには「見ようとしなければ見えない」この現実を正視するところから出発するしかない。

 たとえば、米軍基地問題の焦点である名護市辺野古と東村高江だ。芥川賞作家の目取真(めどるま)俊さんは現地で身体を張って反対運動に取り組み、辺野古新基地建設現場では土砂投入を遅らせるため、カヌー隊の一人として毎日のように海上で抗議を続けている。

 目取真さんは、高江のヘリパッド建設現場でも座り込みで抗議の声を上げてきた。それを排除せんとした大阪府警の若い機動隊員が「ボケ、土人が」と罵倒したことが問題となり、私も参院法務委員会で取り上げたことがある。
2019年2月、衆院予算委の集中審議で答弁を行う安倍晋三首相(春名中撮影)
2019年2月、衆院予算委の集中審議で答弁を行う安倍晋三首相(春名中撮影)
 沖縄出身の詩人である山之口貘(ばく)さんは、大正12年に関西のある工場の見習工募集広告に「但し朝鮮人と琉球人はお断り」とあるのを発見した。貸家に「沖縄人お断り」の張り紙があったり、新聞を読んでいると「日本語が分かるの?」と大家に問われたこともあるという。

 戦後においても、結婚差別や就職・居住差別は残っている。過去も現在も、沖縄県人に対する偏見と差別がこの日本には根付いているのだ。まさに「無意識の植民地主義」(沖縄出身で広島修道大の野村浩也教授)である。