韓国は、国民をあげて竹島にこだわった。この感情と世論は日本人には理解できない。国家を失った民族の「国土侵略阻止」への信念である。

 1965年に日韓基本条約交渉に合意し帰国した韓国側の代表は、空港で「竹島は韓国の領土と認められた」と宣言した。これが韓国民の原点である。しかし、日本政府が抗議することはなかった。

 日韓両政府は、それぞれの政府が「自国の領土」と国内に説明することを「黙認」した。また、日韓閣僚会談などで双方が「竹島(独島)は、わが国の領土とそれぞれ主張し、記録に残す」儀式を行うが、公表しないことにした。ところが、この儀式による「棚上げ方式」は、1979年の朴政権の崩壊で忘れ去られてしまった。

 「竹島の日疲れ」の根元は、単なる県レベルの問題ではない。日本の将来と国際的な地位や役割と直結する問題であると考える必要がある。

 では、最近の日韓対立と、「韓国に軽く見られる」最大の原因は何か。それは、日本が20年以上も経済成長しなかった事実にある。

 日本の国内総生産(GDP)は1994年からほとんど成長していない。約500兆円のままだ。バブル崩壊で生じた「経済成長は悪」「量より質」の世論もあってか、日本政府はあまり成長政策に乗り出すことはなかった。

 一方、韓国のGDPは94年の約5倍に成長した。何よりも、一人当たりの名目GDPが日本に接近している。日本は約4万ドル(約400万円)前後で推移しているのに対し、韓国は3万2千ドル(約320万円)に激増している。
2018年2月22日に松江市で開かれた「竹島の日」記念式典(宮沢宗士郎撮影)
2018年2月22日に松江市で開かれた「竹島の日」記念式典(宮沢宗士郎撮影)
 20年前は、日韓の格差がおよそ4倍であった。韓国民は確実に豊かになっているのに、日本国民の生活は停滞したままだ。5年前には、国際通貨基金(IMF)が、やがて韓国の一人当たりの国民所得(GNI)が日本を追い抜くとの分析も出していたほどだ。

 一人当たりのGDPは、その国の大卒初任給と一致するという。その格差が大きいと「貧富の格差の激しい国」と言われる。