ところで、豊かな自然と文化に恵まれた沖縄県において、観光産業は経済発展を支える主要な柱となっています。

 国は観光立国の実現に向けて平成18年に観光立国推進基本法を制定し、経済波及効果の大きい観光を推進することとして、急成長するアジアをはじめ海外からの観光需要をとりこむ施策を積極的に展開しています。

 観光をリーディング産業と位置付ける宮古島市においても、平成29年7月に市の北西部に位置する平良港(ひららこう)が国際旅客船拠点形成港湾に指定され、大型化する海外クルーズ船に対応するための岸壁の整備や官民連携によるターミナル施設などの整備に取り組んでいます。

 また、これまで国内唯一のパイロット訓練飛行場として活用されてきた下地島(しもじじま)空港においては、訓練の海外移転が進み同空港での訓練実施が急激に減少したことから、その利活用について議論されてきました。

 そんな中、沖縄県は公募により三菱地所運営による旅客ターミナル事業を選定し、来る3月30日より下地島空港においての旅客事業が供用開始される運びとなりました。

 さらに沖縄県経済団体会議の石嶺伝一郎議長による熱い思いと迅速な行動により、同空港は航空機燃料税の軽減措置が適用されることになりました。新規航空路線の参入を促進し、かつ安定的な路線定着を図るために軽減措置は必要不可欠であり、心から感謝する次第であります。 

 近年、本市における入域観光客数の伸びは右肩上がりに順調に推移しており、さらに海外クルーズ船寄港数の増加や下地島空港への新規路線の就航などにより、本市の観光産業を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。
下地島空港で離発着訓練をする日本航空機(JAL)=2010年3月、沖縄県宮古島市(中静敬一郎撮影)
下地島空港で離発着訓練をする日本航空機(JAL)=2010年3月、沖縄県宮古島市(中静敬一郎撮影)
 宮古島市を含む沖縄県全体の経済は、観光産業がけん引して有効求人倍率が上昇し、働く世代にとっては好条件となっています。その一方で、介護や看護といった医療福祉分野、保育などの子育て支援に関する分野、建設技術者らの建設分野などで人材が不足するという悩ましい課題もあります。

 また、本市を含めて沖縄県においては全国水準と比べて低い県民所得の引き上げや、子どもの学力向上、貧困問題など、国、沖縄県と市町村が一体となって取り組まなければならない課題が山積している状況であるのも事実であります。

 平成24年度に10年間の期限付きで創設された沖縄振興特別推進市町村交付金(以下「一括交付金」)は、まさに沖縄県内市町村の抱える課題を解決する事業に大きく貢献してきました。今後も、観光振興に資する事業や人材育成事業、教育環境の整備に関する事業など、地域の活性化のために、大変重要な交付金であります。

 しかしながら、一括交付金については近年減少傾向にあり、新年度(平成31年度)の国の概算要求では、交付金創設時(平成24年度)の800億円台から561億円と年々減少しており、今後の県域全体における地域活性化の取り組みへの影響が懸念されています。

 こうした早急に課題解決を図らなければならない事項については、予算の確保など、国と県がしっかりと連携して対応していく必要があると考えています。

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