トキソプラズマが体内にいるとき、そのヒトあるいは動物は猫を好きになる。例えば、トキソプラズマに侵されたネズミは猫を恐れなくなる。そして簡単に猫に捕食されてしまうのだそうだ。これは科学的に証明されている事実なのである。

 フレディが生まれたザンジバルの街に行くと、とても猫が多いのだそうだ。調べると、現在のザンジバルでは住民の97%がイスラム教徒という。だからこそ、フレディ一家はロンドンに逃げ出していったのではないだろうか。

 それはさておき、つまりフレディは子供のころにトキソプラズマと出会った確率が非常に高いのである。そして、猫を大好きになった、と。

 また、トキソプラズマに侵された男性はリスクを恐れなくなり、反社会的にもなるとされる。女性の場合は社交的になり、「ふしだら」と揶揄されるほど豹変する人もいるらしい。

 実は、そんなトキソプラズマに世界人口の3分の1が感染しているとされている。そして、ブラジルやフランスでは感染率がとても高いという。クイーンが南米で人気が高かったのは、それが原因だったかもしれない。

 両性性を持ち合わせていたフレディは、リスクを恐れず反社会的であり、社交的でふしだらでもある。かように魅力的なネコ科のトキソなロックボーカリストに、われわれは心をわしづかみにされてしまった。つまり、われわれも「トキソな人々」と言えるだろう。

 ちなみに2017年の調査結果によると、日本では猫の飼育数が犬の飼育数をとうとう上回った。実は、これは世界的な傾向であるらしく、世界各国で猫の飼育数が何十年にも渡って増え続けているという。要するに日本以外にも、トキソな人々は増殖しているということなのだ。

ロック歌手のサンプラザ中野くん=2018年4月(宮川浩和撮影)
ロック歌手のサンプラザ中野くん
=2018年4月(宮川浩和撮影)
 思えば、クイーンがデビューし活躍した1970年代はまだまだ「犬の時代」だったのだろう。それゆえ彼らもまた不当な評価に傷つけられていたのだろう。「猫の時代」「トキソな時代」を迎えつつある今、ようやくクイーン及びフレディ・マーキュリーは世界的に熱狂的に受け入れられ始めている。ザンジバルから「犬の国」ロンドンにやってきた「ネコ科のボーカリスト」フレディが、幕が開いたばかりの猫の時代を祝うべく、ファンファーレを今高らかに奏でている。それが『ボヘミアン・ラプソディ』なのである。

 ということで、かなり斜めの方向から映画『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットを分析してみました。いかがだったでしょうか。

  トキソな時代についに受け入れられた偉大なるネコ科ロックボーカリスト。それがフレディ・マーキュリーなのです。そう思って見ると彼のお得意の握り拳を高く掲げるポーズが招き猫のそれに見えてくる昨今です。ボヘミアンラプソディー、千客万来!


※サンプラザ中野くんのオススメ  ボヘミアンラプソディーで泣いた貴方に観て欲しい音楽ドキュメンタリー映画2本

『シュガーマン 奇跡に愛された男』
『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』