それが、文在寅政権の登場後、あやふやにされている。この法的立場を韓国政府がきちっと守っていかない限り、新たな展開は期待できないであろう。

 また、請求権を政府対政府のレベルで解決したのは、韓国側の要望を取り入れた結果でもある。したがって、韓国人が請求する先は、韓国政府であり、日本政府や日本企業ではない。

 安倍総理は選挙を控え支持率を上げるために紛争を政治利用しているとの見方は、最近韓国のメディアによく見られる韓国流の解釈である。安倍総理が登場した時には「極右」とレッテルを張られ警戒された。

 進化もあるべく先入観を排して、ありのままの行動を見るべきだと韓国の人達には言いたい。文在寅政権は反故にするつもりのようだが、あのようなことが政治的に可能だとは思ってもみなかった画期的な2015年12月28日の慰安婦問題の解決に関する日韓合意は、安倍政権によって出来たものだった。

 独りよがりの間違った日本理解は、日韓双方にとって有益ではない。残念なことに、それにはしばしば日本のメディアの影響もある。 

 日韓両国は、高まる不信感を抑えて行かなければならない。とりわけ、約束を守ることにより信頼は生まれる。

 双方の指導者達が世論をリードしていかなければならない。日韓関係に関する限り、世論に追随していては改善しない。同時に、常識的な韓国の人達には声を出して貰いたい。 

 なお、既にやっていることではあるが、日本は、米国や価値や利益を共有する西側諸国等との関係を緊密にして、日韓関係などについても随時話していくことを重視して行くべきだろう。韓国と向き合うだけよりも、意外と解決策が見えてくるかもしれない。