レーダー照射問題についても、韓国側は嘘に嘘を重ねている。東アジアの防衛をともに担う意志が極めて低下していると判断できる。

 2日に発表された、朝鮮半島有事を想定し、毎年春に行ってきた米韓の大規模軍事演習の終了も、このような韓国の「北朝鮮化」を確認した上での米国側の判断だろう。トランプ氏ではないが、共同して北朝鮮に抗する意欲のない国との合同演習など「単なる経費の無駄遣い」でしかない。

 ただ、韓国側の北朝鮮への傾斜は、今回の米朝の交渉決裂で大きく歯止めがかかるだろう。それは日本にとっては有利な材料になる。

 そこで、日本は東アジアの安全保障を考える上で、台湾との関係を再考すべきではないだろうか。台湾の蔡英文総統は、安全保障問題に関する日本政府との対話要請と、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加意欲を産経新聞のインタビューで示した。その報道の直後、蔡氏は自身のツイッターに、日本語と英語の双方でこのインタビューの要旨を熱心に何度も投稿していた。

 もちろん、現在の日本と台湾に外交上の関係はない。日本の政治家たちは、保守も左翼も台湾の政治に冷淡な人たちが大半である。

 しかし、この蔡氏の提案は、台湾が直面している中国からの脅威を前提にしてのものである。日本もまた尖閣諸島(沖縄県石垣市)問題において、安全保障上の深刻な脅威を中国に抱いている。しかも、先述したように、韓国の「北朝鮮化」が止まらないのであれば、地域的脅威はさらに増加するだろう。蔡氏の提案を、日本政府が積極的に検討する環境にあるのではないか。
2019年1月、台湾の総統府で海外メディアと記者会見する蔡英文総統(共同)
2019年1月、台湾の総統府で海外メディアと記者会見する蔡英文総統(共同)
 台湾は日本と同じ民主主義の国である。経済や文化での交流も以前から深い結びつきがある。台湾からのメッセージを前向きに議論すべき時が巡ってきたと言えるだろう。