2019年03月06日 12:28 公開

南米ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領(56)は5日、自分を権力から追放しようとする「気の狂った少数派」を打倒すると述べた。

暫定大統領就任を宣言した野党代表のフアン・グアイド国民会議議長(35)の呼びかけで2日に行なわれた反政府デモに対抗し、マドゥロ氏は「反帝国主義者の行進」を呼びかけた。

マドゥロ氏が発言したのは、グアイド氏がマドゥロ氏に逆らい4日に帰国して以降初めて。

これとは別に、米政府のヴェネズエラ特使、エリオット・エイブラムズ氏は、マドゥロ政権への追加制裁を検討していると明らかにし、たとえ民主的選挙が今後行われても、そこにマドゥロ氏が関わる様子は想像しにくいと述べた。

「民主的なヴェネズエラを作りたかったなら、これまでもその機会はあったが、そうしてこなかった」と、特使は大統領を批判した。

<関連記事>

マドゥロ大統領の発言は

マドゥロ大統領は、グアイド国会議長について、アメリカの支援を受けてクーデターを企てようとしていると非難している。

マドゥロ氏は、師と仰いだウゴ・チャヴェス前ヴェネズエラ大統領の死後6周年式典で演説し、「気の狂った少数派は自らの憎悪と敵意を推進しているが、それは彼らの問題だ。こちらは向こうが何を言っても、気にしない」と述べた。

集まった軍人を前に、マドゥロ大統領は「連中を阻止する。連中の仕事も、労働組合も。気の狂った少数派は、敵意を抱えて突き進めばいい。打倒するので。チャヴェスのため、この国の偉大な歴史のため」と付け加えた。

変革のための圧力

深刻な経済危機と情勢不安に陥っているヴェネズエラでは、ハイパーインフレに加え、食品や医薬品といった生活必需品が不足しており、数百万人の国民が国外に脱出している。

マドゥロ大統領に対する国際的な圧力が着実に高まる一方で、アメリカや大半の中南米諸国をはじめ50カ国以上がグアイド氏を暫定大統領として承認している。マドゥロ氏は、グアイド氏からの辞任要求を全て退けている。

中国とロシアの支持を得ているマドゥロ氏は、自分自身こそが唯一の合法的な大統領だと主張している。

BBCのウィル・グラント記者は、マドゥロ氏が今月2日にデモ行進を呼びかけたことで、グアイド陣営との対立の機会がさらに増えると指摘する。衝突を回避するため、当局は両陣営が接触しないようにするはずだという。

南米各国の外遊を終えたグアイド氏は4日、首都カラカスに戻った。同国の最高裁判所は1月29日、グアイド氏の出国を禁止したほか、銀行口座を凍結する判断を下したが、グアイド氏はこれに逆らって出国し、コロンビア・ボゴタで開催された中南米諸国との会議に出席するなど国際援助を働きかけた。

5日に行なわれた公務員組合との会談で、グアイド氏はマドゥロ政権を退陣させるためストライキを実施すると述べ、「(マドゥロ政権は)圧力はもうピークに達したと思っただろうが(中略)圧力はまだ始まったにすぎないと、知っておいた方がいい」と警告した。

ヴェネズエラの立法府が2018年のマドゥロ氏の2期目再選を違法だと宣言した後、グアイド氏は今年1月に暫定大統領就任を宣言した。

(英語記事 Maduro vows to defeat 'crazed minority'