2019年03月08日 11:50 公開

タイの最高裁判所は7日、ワチラロンコン国王の姉のウボンラット王女(67)を次期党首候補に擁立しようとした野党・国家維持党に解党を命じた。

国家維持党は、タイ政界で圧倒的勢力を持ったタクシン・シナワトラ元首相に近い政党のひとつ。シナワトラ氏は2006年の軍事クーデターにより退陣した。現在タイでは軍事政権が樹立されている。

今回の解党命令により、今月24日に予定される総選挙で、シナワトラ氏の支持者が勝利を収めることは厳しくなると、専門家はみている。

憲法裁判所は7日、ウボンラット王女の次期党首候補としての擁立は、君主政治の中立性を脅かしたとの判断を下した。

国家維持党の幹部は10年間の政治活動が禁止され、今回の選挙戦への出馬は不可能となった。

ナカリン・メークトライラット裁判官は、「君主政治は政治を超越したものだ。そして政治的中立性を保つために、国王や女王、そして王女は投票によって政治的権利を行使してはならない」と述べた。

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もし王室の一員が首相候補になっていれば、今月の総選挙でタクシン派は圧倒的に優位だったはずだと、バンコクで取材するBBCのジョナサン・ヘッド記者は指摘する。

ヘッド記者によると、7日の裁判所決定によって親タクシン派陣営は議席を減らし、総選挙での過半数獲得はほぼ確実に不可能な情勢となる。

専門家によると国家維持党は、親タクシン派主要政党のタイ貢献党に協力し、タクシン派の議席数を増やそうとしていた。

タイの新しい2017年憲法は、各党が獲得できる議席数に上限を設けている。

総選挙は今月24日の予定。民主政府を転覆させた2014年の軍事クーデターにより、現在のプラユット・チャンオチャ首相が権力を握って以来、初の総選挙となる。

(英語記事 Thai party that nominated princess banned