西村博之(2ちゃんねる創設者)

 こんにちは。ニコニコ動画という動画配信サイトの立ち上げをやっていたりして、動画を作って暮らしていく人たちを増やしたという自負はあったりするのですが、新しい仕事ってなかなか理解されないですよね…。

 ニコニコ動画で「歌い手」と呼ばれる歌のうまい素人たちが、動画を上げて人気が出た、というのが10年前ぐらいからあって、それが専業になった人もいたりします。

 「そんなにうまくもない素人が歌で食っていくなんてけしからん」的なコメントを見かけることがありますが、昭和の時代から大して歌のうまくない人たちが歌手という名前でテレビに出たりしているのを目にしてきたので、歌のうまい人以外が歌で食っていくって当たり前のことだと思ったりします。

 動画を作って暮らしている人たちの中でも「YouTuber(ユーチューバー)」と呼ばれる人たちが子供たちの憧れの職業になったりしているわけですが、自分が普段見ているメディアに出ている人たちに憧れるってのも、昔からあることなんですよね。

 「銀幕のスター」という言葉がありますが、映画が人気のあるメディアだった頃は、映画に出ることがステータスでした。当時は格下のテレビに出るのを嫌がる人たちもいたわけです。

 ちなみに、アメリカは映画に出る役者の方が、テレビに出る役者よりも格が上だったりしますが、日本はテレビの方が上になっていますよね。

 ラジオDJに憧れる人がいたり、広告代理店のコピーライターに憧れる人がいたりと、新しい職業に憧れる人がいるのはいつの時代もそうですよね…と。
※画像はイメージ(ゲッティ・イメージズ)
※画像はイメージ(ゲッティ・イメージズ)
 んで、「将来子供にYouTuberになりたいと言われたらいやだ…」みたいな話を聞きますが、有名YouTuberに憧れる子供がいたら、やらせてみたらいいと思うんですよね。

 動画の企画を考えて、カット割りを考えて撮影をして、編集にしても、テロップを入れて、効果音を入れて、動画の長さを考えたり、画質をきれいにするために動画エンコードの方法を考えたりってのを毎日やっている人たちが、有名YouTuberとして名をはせてる人たちだったりするわけです。

 動画を1本作るぐらいだったら、頑張ればできますけど、毎日、これだけの作業をたんたんと続けることができるのって、ある種の才能だと思います。YouTuberに憧れる子供がいたら、ゴールデンウィークの間、毎日、動画を1個ずつ作るのに挑戦させてみたらいかがでしょうか?

 また、YouTuberに憧れる社会人も多いわけですが、動画の企画を考える中で、他の人がやってないこととなると、ほかの人がやらなかった理由のあることがほとんどなんですよね。大抵の企画は既に誰かがやっている世の中だったりします。

 ってことで、他の人がやらなかったことで過激なことを、目立つためにやり出す人たちが現れてきました。これは日本に限らず世界的な潮流ですけどね…。