江田憲司(衆院議員)

 まず、冒頭、はっきりと申し上げておきたいことは、私は、「民主党政権」とは全く関わりのなかった政治家だということだ。いや、むしろ、当時は、みんなの党幹事長として、民主党政権の種々の問題点について、予算委員会等の場で追及していた側の政治家だった。したがって、「あの悪夢のような民主党政権」(安倍首相)を弁護する立場にはない。

 にもかかわらず、私が2月20日の予算委員会で、あえてこの問題を取り上げたのは、安倍首相に「もう不毛な議論はやめよう。過去の政権がどうだったとか、それに比べて良いだ悪いだといったことより、国民が望んでいるのは、これからの日本をどうするかだ。そうした将来のことを語ってほしい」という思いからだった。本件だけでなく、安倍首相は「反論」のための「反論」で、あまりに民主党政権時代のことをあげつらうことが多すぎるからだ。

 そこで私は、僭越(せんえつ)ながら、安倍首相にこう申し上げた。「もっと首相としてディグニティー(Dignity)を持ってほしい。国民の代表、トップリーダーなのだから、もっと威厳と品位を持ってほしい」と。安倍首相は不服そうだったが、最後は「江田委員の言うことだから深く胸に刻む」と答弁したが、その後も繰り返しているところを見ると、やはり、本気ではそう思ってはいないのだろう。

 そして、その予算委で私は引き続き、安倍首相が自省する「よすが」となるように、あえて「安倍首相、民主党政権が悪夢なら、あなたが幹事長、官房長官として支えた小泉政権も悪夢ではなかったのですか?」という問いかけをした。安倍首相が、岡田克也議員や旧民主党議員と予算委でやりとりした中で「私は、民主党政権時代の経済のことを言ったのだ。有効求人倍率は今より半分で『就職氷河期』だったし、中小企業の倒産が今より3割も多く、『連鎖倒産』という言葉もあった」という趣旨の発言をしたからだ。

 旧民主党議員が安倍自民党政権を批判すると「ブーメラン」を食らっていたように、安倍首相も人のことを批判ばかりしていると、同じようにブーメランを食らう。それが、予算委でも示した下記のパネルだ。

 民主党政権と小泉自民党政権を比べてみると、「有効求人倍率」では多少、小泉政権の方が良いが、「完全失業率」でも「倒産件数」でも「負債総額」でも、小泉政権の方が悪い。だから、安倍首相の「定義」に倣っても、「民主党政権が悪夢なら、小泉政権も悪夢」であるはずだ。