岡田克也(衆院議員)

 私は2月12日の予算委員会で、安倍総理が自民党大会で「あの悪夢のような民主党政権の誕生」という表現を使ったことを取り上げ、抗議しました。

 メディアの中には、私と安倍総理のやりとりを面白おかしく取り上げたものが多かったのですが、私の意図は、当時の民主党政権を擁護しようとするものではなく、論点がずれてしまったことは残念です。改めて、私がなぜ安倍総理の発言を取り上げたのか、私の問題意識を説明したいと思います。

 私は、民主党政権に足らざる点が多かったことを否定するつもりはありません。国民の皆さんから大きな期待をいただきながら、合格点に達することができず、3年3カ月で政権交代に至ったことは、本当に申し訳なかったと強く反省しています。

 もちろん、民主党政権だからこそできたことも多くあると私は思っていますが、それをここで議論するつもりはありません。私が予算委員会で安倍総理の発言を取り上げたのは、より大きな問題意識に基づくものです。

 議会制民主主義の基本は、政党間の健全な議論です。一国のリーダーが野党を全否定するような発言をして、民主主義は深まるのでしょうか。

 私は国会で、政府や与党の具体的政策や政治姿勢を厳しく批判してきました。しかし、少なくとも、総理大臣や自民党に対する敬意は忘れないよう心掛けてきたつもりです。相手を全否定しては議論が成り立たず、深まることはないからです。安倍総理のあの発言には民主党に対する敬意は全くなく、単にこき下ろしているだけです。

 自民党大会での「悪夢」発言時に、最初はほとんど拍手がありませんでした。会場の自民党員の皆さんにも、戸惑いや違和感があったのではないでしょうか。私は、リーダーとしての安倍総理に、もっと謙虚になってもらいたいのです。

 予算委員会でのやり取りも、議論を深めることにはなりませんでした。安倍総理は、「悪夢」発言を「少なくともバラ色の民主党政権でなかったことは事実」と言い換えて論点をすり替え、言論の自由は自分にもあると主張したり、民主党が党名を変えたことを取り上げて批判したりしました。子供じみた言動でした。
旧民主党政権で外務大臣などを務めた岡田克也氏
旧民主党政権で外務大臣などを務めた岡田克也氏
 私はそれらの発言には一切応じず、福島原発事故の対応を取り上げました。民主党政権時代の最大の出来事であり、今なお生活を破壊され、故郷に戻ることができず苦しんでいる方々が多くいらっしゃるからです。

 もっとうまく対応できなかったのか、当時の与党幹事長として私自身、今も強い反省があります。安倍総理にそのような反省と責任の共有という意識はあるのかを問いたかったのです。