平本淳也(元ジャニーズ所属タレント、作家)

 関ジャニ∞(エイト)のメンバー、錦戸亮が脱退を模索していると週刊文春が報じた。これに関して、ジャニーズ事務所や本人の発表がないだけに、憶測だけが独り歩きしているようだが、結論から言えば、遅かれ早かれ「事実」になるだろう。

 こういった脱退騒動になると、必ず出てくるのがメンバー同士の不仲説で、当たり前だが、実際はどのグループにもあり、それを週刊誌などが大げさに書き立てているだけだ。むしろ、グループ内の人間関係に全く問題のない円満な例など皆無といっていいぐらいだ。

 では、なぜ錦戸の脱退話が浮上したのか。そもそも、芸能人の場合、グループや組織の一員としての立場と、ソロ活動ではかなり差異がある。例えばグループの曲は作れないが、ソロ活動としての曲なら作れるといったアーティストは少なくない。

 「たのきんトリオ」のメンバーで、後にバンド「THE GOOD-BYE」に参加した、野村義男(よっちゃん)は、かつて「他の曲は作れるがTHE GOOD-BYEの曲は作れない」と悩んでいた。

 チェッカーズの藤井フミヤやLUNA SEAの河村隆一らも同様に「組織」(バンドやグループ)と「個人」で活動の性格が異なってくる。要は、同じ人がマイクを持つにしても、ステータスやポリシーも変われば、できること、やれることの全てが変わってくる。

 こうしたことを前提に、錦戸について言えば、最近では昨年のNHK大河ドラマ『西郷どん』やフジの月9ドラマ『トレース~科捜研の男~』に出演するなど、俳優としての地位を確立しつつある。一目瞭然だが、俳優と関ジャニのメンバーでは、同じ芸能活動であってもまったく種を異にする。

 その中で、音楽的な実力を持った渋谷すばるが脱退し、さらにSMAPや嵐の例を目の当たりにしただけに、関ジャニの活動が足かせに感じるようになってきているのは確かだ。
(イラスト・不思議三十郎)
(イラスト・不思議三十郎)
 また、錦戸が脱退や解散を口にし始めた理由はもう一つある。関ジャニは当初、文字通り8人でスタートしたが、当時未成年だった内博貴が飲酒騒動を起こして脱退。その後は7人となったが、錦戸にしてみれば、7人で現在の地位を築いたグループとの思いが強く、誰か一人抜けても加入しても、それは関ジャニではなく他の違うものだと言いたいのだ。

 渋谷の脱退会見の際、錦戸だけが「残ってほしかった」と話し、涙を流していたのは、人一倍こうした思いが強いからだ。渋谷脱退を機に、錦戸は関ジャニも解散するべきだとの思いが強かったようだが、今回自身も脱退する意志を固めたことで、再度解散を持ちかけたのだろう。

 振り返れば、錦戸はかつて関ジャニとNEWSを掛け持ちしていた。既に原型をとどめていないNEWSを脱退して関ジャニを選んだ錦戸だから言える「オリジナル」の重要性を強調してきたことはよく知られている。