橋下徹(前大阪市長)

 橋下徹氏の野党強化論は、本サイト「橋下徹『政策はぶれて当たり前』」「橋下徹『野党は安倍首相とトランプ大統領に学べ』」に詳しい。では、与党を含めた政治家がいま最も取り組むべき課題は何なのか。橋下氏自身の政界復帰の可能性は?大阪府市のトップを務めたからこそ語る、組織マネジメント論にも注目いただきたい。

―現在の野党の状況を見ていると、橋下さん自らが再び政治の世界に乗り出す気になりませんか?

橋下 自分がまた政治をやろうという気持ちにはならないですね。子どもを大学にあと4人行かせないといけないですし、これ以上、家族に迷惑は掛けられない(笑)。

―そうですか(笑)。では、日本の政治家がいま最も手を付けるべき課題は何だとお考えですか。

橋下 政治家時代ずっと言い続けてきましたが、統治機構改革です。政策の具体的な中身は専門家や役人を集めて議論すればいい話です。しかし、その実現のためには政策を実行できる統治機構が必要不可欠で、権力装置である統治機構を改革するのは政治家にしかできません。

 まず現在の日本の統治機構は、中央の政府と地方の自治体の役割分担が適切ではない。

 たとえば待機児童対策なんて、中央政府が実際に手掛ける問題ではありません。地方自治体に待機児童の解消を義務化する法律を制定すればいいだけの話です。

 その代わり、権限も財源もすべて地方に渡し、保育所設置に関するルールも地方ですべて自由に決めさせる。責任を負わせる代わりに権限とお金を与えるのです。それが組織マネジメントというものです。
中国全人代の閉幕式に臨む習近平国家主席=2019年3月、北京の人民大会堂(共同)
中国全人代の閉幕式に臨む習近平国家主席=2019年3月、北京の人民大会堂(共同)
 トランプ大統領や習近平主席が、待機児童問題について語っていることを聞いたことがあるでしょうか? 国のトップが心血を注ぐべきは、外交・安全保障政策などであって、待機児童対策ではありません。

 森友問題に関しても、安倍政権の対応は不誠実だったと思いますが、これもしょせん私立小学校の敷地をめぐる問題でしかない。