2019年04月08日 16:30 公開

大韓航空を傘下に持つ韓国の財閥、韓進グループの趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長が7日、米ロサンゼルスの病院で死去した。70歳だった。大韓航空が声明を発表したが、詳細は不明。

近年は悪名高い「ナッツリターン」事件など相次ぐ一族のスキャンダルが、趙会長の指導者としての経歴に陰を落としていた。

汚職の罪で公判中だった趙会長は3月27日、取締役の座を追われた。

英紙フィナンシャル・タイムズによると、会長の息子で大韓航空社長を務める趙源泰(チョ・ウォンテ)氏が跡を継ぐとみられる。

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趙一族の動静は近年たびたび、国際的に大きく報じられた。

趙会長の長女の趙顕娥(チョ・ヒョンア)氏は大韓航空の副社長だった2014年、米ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港から搭乗した旅客機内でナッツの出し方をめぐり騒ぎを起こし、機体を滑走路から出発ゲートに引き返させた。

客室乗務員がマカデミアナッツを提供する際に皿にあけてではなく、袋のまま提供してしまったため、その乗務員を機体から降ろすよう顕娥氏が要求したため、刑事事件に発展した。

顕娥氏は航空機の安全な運航の妨害や、脅迫、職権乱用の罪で有罪判決を受け、約5カ月にわたり実刑に服した。

この「ナッツリターン」事件から4年後の2018年、当時大韓航空の専務だった次女の趙顕旼(チョ・ヒョンミン)氏は、会議中に水の入ったボトルを壁や同僚に向かって投げた。

姉妹は2018年、全ての役職から解任された。

その後、趙会長自身も2018年に横領や背任の罪で起訴された。会長は全ての起訴内容を否認していたが、今年3月の大韓航空の取締役会からの最終的な追放につながった。

これらのスキャンダルは、創業者一族が経営権を握る「チェボル」と呼ばれる財閥によって支配される、韓国でのビジネス環境をめぐる国内での議論を再燃させた。

複数報道によると、韓国大手企業の創業者一族の中で取締役会を追われたのは趙会長が初めて。

趙会長の取締役会からの強制的な離脱をめぐっては、財閥の権力を抑制しようとしている人々にとっての勝利だとする見方もある。

(英語記事 Korean Air's 'nut rage' father dies at 70