もっとも、AKB48グループはもともと、グループの運営組織がメンバー全員をガッチリと管理しているわけではありません。メンバーのマネジメントを一元的に行う組織としてはAKS社が有名ですが、人気メンバーは在籍中から積極的に他プロダクションへと移籍します。

 言い換えれば、AKB48グループとかAKS社というのを、あくまでもグループ卒業後にさらなる芸能活動をするための通過点としてとらえているメンバーも少なくない、ということです。

 というわけで、AKB48グループ本体が不祥事で求心力を失いつつあるならば、ここをステップにして、外部での活動を模索するメンバーが今後さらに増えていくものと思われます。

 図らずも、昨年から本格的に始動しているAKB48グループの日韓共同プロジェクト「PRODUCE48」などは、メンバーにとって理想的な「外部」になりつつあります。

 このプロジェクトは韓国の音楽専門チャンネル「Mnet」の企画で、簡単に言うと視聴者投票型のアイドルオーディション番組です。

 ただ、そこで選ばれるメンバーは、当然のことながら日本とは違います。楽曲や意匠はAKB48っぽいのに、セクシーなルックスやダンス、歌唱力の高さは明らかにK-POP風という、アイドルファンとしては「なんだこれ見たことねーぞ」的な面白さがあるのです。

 このオーディションには、日本のAKB48からも何人かメンバーが参加しましたが、いずれも敗退。K-POP直系の、高度なパフォーマンス力に圧倒されてしまいました。
東京・秋葉原のAKB48劇場=2014年6月(小山理絵撮影)
東京・秋葉原のAKB48劇場=2014年6月(小山理絵撮影)
 そもそも、なぜK-POPのアイドルは日本に比べて超絶ハイクオリティが好まれるのか。それは、もともと日本のエンターテインメント産業が世界第2位の規模だったことに関係します。

 要するに、日本はガラパゴスな市場でも十分カネ周りがよかった、ということです。運営側とメンバーは日本人向けの商品を作って、ファンである日本人もそれを楽しんで、みんな海外なんて意識しなくても、生きていけた。

 これに対してK-POPの産業規模は、もともと日本よりずっと小さかったわけです。だから韓国内だけでなく欧米やアジア市場で買ってもらう必要があった。そんなわけで、次第に楽曲やパフォーマンスがグローバル標準に洗練されていったのです。