三つ目として指摘すべきことは、官主導の反日の闇だ。文政権誕生以来、日韓関係は最悪の状態に陥っている。日韓基本条約で解決したはずの「徴用工問題」、日韓両政府の間で決着をつけたはずの「慰安婦問題」を持ち出したのは韓国政府だ。

 レーダー照射問題では、韓国政府が意図的に日韓関係を悪化させるつもりだったのではないか、との声すら聞こえる。その背景には文政権が進める北朝鮮との宥和政策、北朝鮮との連携を強めようとする国政運営の方針がある。

 文政権が北朝鮮と共有できる価値観といえば「反日」だからだ。京畿道議会が政治主導で「日本の戦犯企業」ステッカー条例を作ろうとしたのは、このような文政権の「官主導反日」に倣(なら)ったものと言っていい。

 このような反日活動で一部の政治家は得をするかもしれないが、一方でこのような時代錯誤的なことで国家のイメージは失墜し、経済に影響が出るのも必至だ。京畿道議会が戦犯企業に指名した日本企業にはパナソニックやニコンのような企業も含まれるが、韓国からこのような企業の製品をなくしたらどうなるだろうか。韓国のテレビ局、新聞社の人たちはこれから日本の放送機器やカメラを持って堂々と世界を歩くことができるだろうか。

 文政権誕生以来、韓国では1894年までさかのぼり、日本の朝鮮進出のきっかけとなった東学党の乱の再調査が進められている。それだけでなく、1950年に勃発した朝鮮戦争をめぐって、金日成(キム・イルソン)国家主席の韓国占領を阻止すべく敢行された「仁川上陸作戦」によって被害を受けた民間人に賠償金を支払う条例案も話題になっている。

 韓国では一連の反日活動に象徴されるように、こうした過去の無意味な蒸し返しが繰り返されており、このままでは韓国は国際社会から真に孤立しかねない。
2019年4月3日夜、韓国の政権与党「共に民主党」と候補者を一本化し国会議員補欠選挙で辛勝した革新系野党「正義党」の候補者(中央左)ら(聯合=共同)
2019年4月3日夜、韓国の政権与党「共に民主党」と候補者を一本化し国会議員補欠選挙で辛勝した革新系野党「正義党」の候補者(中央左)ら(聯合=共同)
 ただ、ステッカーの条例案については、保守系学生団体の韓国大学生フォーラムは「過去と現在、感情と外交を区別できない共に民主党は扇動政治をやめるべきだ」との声明を発表している。

 学生を中心とした若者は「反日活動」に扇動されやすいが、韓国メディアや学生の一部から非難の声が上がり始めており、これらは日韓関係の改善に向けた一縷(いちる)の望みかもしれない。