2019年05月04日 11:48 公開

韓国軍合同参謀本部は4日、北朝鮮が同日午前9時6分ごろから27分ごろにかけて、同国東部の江原道元山(カンウォンドウォンサン)付近から短距離ミサイルを発射したと明らかにした。北朝鮮のミサイル発射は2017年11月29日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)15」以来、1年5カ月ぶり。

韓国の通信社・聯合ニュースは、韓国軍合同参謀本部の話として、北朝鮮は複数の飛翔体を北東の日本海方向に発射し、飛翔距離は70キロから200キロだったと伝えている。飛翔体は日本海に落下したという。

米ホワイトハウスのサラ・サンダース大統領報道官はミサイル発射を受け、「我々は北朝鮮の今晩の行動について把握している。必要に応じて監視を続ける」と述べた。

ミサイルの発射は、合意なしに終わった金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ米大統領によるヴェトナム会談以降、初めて。トランプ大統領は会談後の記者会見で、金委員長が「制裁の全面解除を求めてきた」と明らかにし、現時点で合意文書に署名することは適切ではないと考えたと述べた。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は先月18日、「強力な弾頭」を装着した新型の「戦術誘導兵器」の発射実験を行い、金委員長が視察したと報じていた。発射された兵器は「特殊飛行誘導モード」を装備しており、「異なる標的に向けてさまざまなモードで実施された」という。専門家は、陸上や海上または上空から発射できる兵器とみている。ミサイルかどうかは不明だが、短距離兵器だとの見方が出ている。

今回の発射地点とみられる元山では、これまで地対艦巡航ミサイルや長距離ミサイルの発射実験が行なわれている。

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核開発中止を約束も

金委員長は昨年4月、核実験とICBMの発射実験中止と核実験場の廃棄を表明した一方、日本を射程に収める短・中距離ミサイルの扱いについては触れていなかった。

核開発はその後も継続していたとみられ、米戦略国際問題研究所(CSIS)が先月16日に公開した衛星画像では、核施設に動きが見られ、放射性物質を爆弾燃料に再処理できる可能性が指摘されていた。

BBCソウル特派員のローラ・ビッカー記者によると、北朝鮮は、核開発の全面中止に本格的に取り組まない限り、経済制裁の全面解除には応じないというアメリカ側の強い姿勢に、苛立ちを募らせているとみられる。

今回のミサイル発射に先立ち、トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は電話で会談し、1時間以上にわたりロバート・ムラー特別検察官のロシア疑惑捜査報告書や外交の諸問題について意見交換していた。米CNBCなどによると、非核化に向けて北朝鮮に圧力を加えるよう求めたトランプ大統領に対し、プーチン大統領は制裁緩和を促した。

北朝鮮はこれまでに、アメリカ本土を射程に収める長距離ミサイルに搭載可能な小型の核弾頭を開発したと主張している。

(英語記事 North Korea 'tests short-range missiles'