前者は、最新の調査でかなり低下したとはいえ、45%の手堅い支持があった。また後者は、韓国国内の「日本嫌い」を反映して、人気の政治手法といえる。

 韓国国内の「日本嫌い」の一端は、人気アイドルグループ、TWICEの日本人メンバーであるサナが、インスタグラムで「平成生まれとして、平成が終わるのはどことなくさみしいけど、平成お疲れ様でした!!!」と投稿して、炎上したことからもわかる。日本人としての素直な感想だろうが、ほとんど揚げ足取りに近い批判から過去の日韓併合批判まで持ち出す誹謗(ひぼう)中傷の類いもあった。

 もちろん、日本の中でも「韓国嫌い」は根深く、「お互い様」の側面はあるだろう。ただ、韓国の国家的な慶事に関して、日本で活動する韓国の芸能人が会員制交流サイト(SNS)上で感想を述べたところで、多くの日本人は特に何とも思わないだろう。この炎上騒動一つ取っても、韓国の現政権による「日本は無限に謝罪すべき」とでもいうべき姿勢がもたらした側面もある。

 しかし、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は「嫌日を国内政治の人気取りに利用している」という見方に反論している。日本の韓国通といわれる研究者による、「日本を特に重視していないから、『韓国が日本を煽っている』と批判するのはあたらない」という見解と似ている。

 だが、重視していないから問題なのである。論点をずらすやり口は感心しない。

 ところで、文政権の北朝鮮に対する外交的肩入れは、韓国左派の半島統一を願う気持ちが強いためだと考えられる。その姿勢を、多くの韓国国民も支持しているのだろう。
板門店の韓国側で開かれた記念式典で上映された文在寅大統領の映像メッセージ=2019年4月27日(共同)
板門店の韓国側で開かれた記念式典で上映された文在寅大統領の映像メッセージ=2019年4月27日(共同)
 だが、そこには重大な落とし穴がある。肝心の北朝鮮側が、文政権に代表される韓国左派の思いを受け入れる余地がないのだ。この点は、郵便学者の内藤陽介氏が、月刊誌『WiLL』6月号での筆者との対談で、次のように明快に解説している。

 韓国の左派は、「朝鮮は一つであるべき」と考えていますが、北は「北朝鮮」という独立したアイデンティティを持っています。主張の強い両者が相容れることはない。