2019年05月09日 12:47 公開

フランチェスカ・ジレット、BBCニュース

英王室のサセックス公爵夫妻、ハリー王子とメガン妃は8日、6日に生まれた第1子を「アーチー・ハリソン・マウントバッテン=ウィンザー」と名づけたと発表した。

名前を予想して賭けにしていたブックメーカー各社では、「アレクサンダー」「アーサー」「アルバート」などが人気で、「アーチー」は大方の予想外だった。

「誰もまったく予想していなかった名前だと思う」と、王室専門誌「マジェスティー」のジョー・リトル編集局長は話す。

リトル氏によると、「アーチー」も「ハリソン」もおそらく英王室とまったく何のゆかりもない名前だという。

「アーチー(Archie)」は語源的には、「純正」「大胆」「勇敢」などを意味する。アメリカよりもイギリスで多く使われ、もともとは「アーチボルド(Archibald)」の短縮形や愛称だったが、今ではそれ自体が名前として使われる。

2017年にはイングランドとウェールズで、2803人の男児が「アーチー」と名づけられ、人気順位では18位だった。2003年以来、常に人気の名前の上位50位にランクインしている。

アメリカでは、「アーチー」よりも「ハリソン」がやや人気だが、こちらもイギリスでより多く使われる。2017年の男児に人気の名前では34位だった。

「ハリソン」はそもそも、「ハリーの息子(son of Harry)」を意味する姓として使われていた。ハリー王子の息子の名前として、ふさわしいと言える。

リトル氏は、「メガン妃になじみのある名前だから、使うことにしたのかもしれない」と話す。

「『アーチー』はイギリス的な感じがする名前で、『ハリソン』はアメリカ的な感じがする。『ハリソン』と言われて最初に思いつくのは、米俳優ハリソン・フォードだ」

「2人はこれまでと少し違った名前にしたいと希望していたので、その通りにしたようだ」

赤ちゃんの祖父や曽祖父の名前(王室の側はフィリップかチャールズ、メガン妃の側はトマス)をミドルネームにするのではないかという憶測もあったが、「最終的には両親が決めることだ」とリトル氏は言う。

ハリー王子とメガン妃は、息子に名誉称号は与えないことにした。

サセックス公爵の長男として「ダンバートン伯爵」を名乗ることもできたが、単に「マスター・アーチー(アーチー様)」と呼ばれることになる。「マスター」はイギリスで未成年の男子に対して使われる、多少古風な一般敬称。

英王室に詳しいリチャード・フィッツウィリアムス氏は、夫妻が英王室にゆかりのない名前を選び、独自性を打ち出したことは「素晴らしい」選択で、「王室の活性化につながる」と評価する。

「独特のやり方で進んでいる独特のカップルが、独特の名前を選んだ」とフィッツウィリアムス氏は述べ、「これが『サセックス』のブランドだ。実に国際的なブランドだ」と期待を示した。

英王室の赤ちゃんに王室とゆかりのない名前がつけられるのは、これが初めてではない。エリザベス女王の初孫、ザラ・フィリップスさんの名前が発表されたときは「みんなかなり驚いた」とリトル氏は言う。

世間的に有名な「アーチー」というと、米ドラマ「グッド・ワイフ」に出演した英女優アーチー・パンジャビ、米コミックス「アーチー」シリーズのアーチー・アンドリューズ(米ネットフリックス・ドラマ「リバーデイル」にも登場)、BBCの長寿連続ドラマ「イーストエンダース」の悪役、アーチー・ミッチェルなどがいる。

家族史をたどるサイト「アンセストリー」によると、王室にあやかり赤ちゃんの名前をつける人は常に大勢いるため、「アーチー」は今後増えるとみられる。同サイトによると、ウィリアム王子夫妻が子どもたちにつけた「ジョージ」「シャーロット」は国民の間でも人気が上がったし、かつて「ウィリアム」と「ハリー」の名前も王子たちにあやかり人気が出たという。

「マウントバッテン=ウィンザー」は、エリザベス女王とエジンバラ公フィリップ殿下のそれぞれの姓を組み合わせて1960年に創られた複合姓。エジンバラ公が自分の子どもたちが自分の名前を受け継がないことに不満を表明したため、創られた。

ケンブリッジ公爵夫妻ウィリアム王子とキャサリン妃の子ども3人は全員、「ケンブリッジ」という名前が出生証明書に記載されている。

王室に詳しいジャーナリスト、ペニー・ジュナー氏は、エジンバラ公は自分の姓が使われて「大喜び」だろうと話す。

「フィリップ殿下は自分の子どもたちを自分の姓で呼ぶことができなかったので、ハリー王子の祖父をこうした形で称えるのはとても素敵だと思う」

(英語記事 Archie Harrison: The meaning behind the royal baby's name