2019年05月13日 12:30 公開

ドナルド・トランプ米大統領の経済顧問を務めるラリー・クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は12日、アメリカが輸入する中国製品に対する関税を中国側が負担するだろうと発言した大統領は間違っているとの認識を示した。アメリカは10日、2000億ドル(約22兆2000億円)相当の中国からの輸入品への関税率を10%から25%に引き上げた。

クドロー氏は米フォックス・ニュースに対し、中国からの輸入品への関税を負担するのはアメリカ企業であると認めたほか、企業側が値上げした場合は、米国内の消費者も負担することになるだろうと述べた。

また、コスト上昇により、アメリカでの中国製品への需要が低下し、中国経済に影響を及ぼす可能性があると指摘。米中貿易戦争の激化で「中国とアメリカ、両方が損害を被るだろう」と述べた。

トランプ大統領は10日、250億ドル相当の中国からの輸入品に対する関税は、「中国が」負担するとツイートした。米財務省はこれらの「莫大な支払い」から利益を得ているため、中国との貿易協定で「急ぐ必要はない」と主張していた。

<関連記事>

トランプ大統領は昨年9月、2000億ドル(約22兆3500億円)相当の中国からの輸入品に10%の追加関税をかけると発表した。課税対象には魚や、ハンドバッグ、衣料や靴が含まれる。

今回の引き上げ分の関税を負担する企業は、企業内で負担をまかなうか、商品を値上げすることで消費者に負担させるか、あるいは仕入先に値下げ交渉を行なうか、いずれかを選択することができる。

関税率引き上げの理由について、トランプ大統領は8日、中国が貿易協議での「約束を破った」からと説明。米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表も6日、中国は米中間での合意文書を本質的に変更しようとしてきたと述べていた。

トランプ氏は9日、現在は課税対象外となっている3250億ドルの中国製品に対して25%の関税を課す手続きを開始したことを明かした。経済大国の米中による貿易報復戦争が世界経済の成長に及ぼす影響に懸念が生じている。

中国商務省は声明で、「貿易摩擦の激化は米中両国の国民や世界の人々の利益にならない。米国による関税率引き上げが実施された場合、必要な対抗措置を講じなければならなくなる。このことを中国は、心から残念に思う」と述べた。

ライトハイザー代表と中国の劉鶴副首相はワシントンで9日と10日にかけて話し合ったが、米中間の溝を埋めることができずに協議は終わった。

アメリカは、中国の対米貿易黒字は中国政府による国内企業への支援を含む、不公正な貿易慣行の結果だと主張している。さらに、中国は米企業の知的財産権を侵害していると非難している。

これに対し中国は、「苦い果実(不快な結果)」は受け入れないと反論している。

クドロー氏は米中貿易協議の行き詰まりの原因について、合意に至っている変更点を法律に盛り込むことに中国が消極的だからだと述べた。

協議は北京で再び行なわれる予定だが、クドロー氏によると、トランプ大統領と中国の習近平国家主席は、6月28日から大阪で開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で会う「可能性が非常に高い」という。

(英語記事 Trump downplays trade deal failure