2019年05月13日 12:56 公開

イギリス人はますますセックスをしなくなっている――。同国における全国規模の調査で、そんな結果が明らかになった。

性行動に関するこの調査は、イギリス国内の16~44歳の男女計3万4000人を対象に、1991年、2001年、2012年の計3回実施。それらの結果の分析がこのほど、医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)掲載された。

それによると、2012年時点で、過去1カ月に全くセックスをしなかったイギリス人は男女とも約3人に1人に上った。2001年の調査では約4人に1人だったことから、セックスをあまりしない人の割合が上昇したことがわかる。

半数以上が「週1回」もしていない

週に少なくとも1回はセックスをしていると答えたのは、男女合計で半数以下(41%)だった。

過去1カ月に10回以上セックスをしたと回答した人の割合は、2001年は女性20.6%、男性20.2%だったが、2012年には女性13.2%、男性14.4%に落ち込んでいる。

35~44歳の男女に、過去1カ月に何回セックスをしたか尋ねたところ、女性の平均回数は2001年には4回だったのが2012年には2回に減少。男性も4回から3回に減った。

1991年から2012年にかけて最もセックスの回数が減ったのは、25歳以上のシングルの男女と、結婚または同居しているカップルだった。

なぜしなくなっている?

調査に当たったロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究者たちの分析では、セックス頻度の落ち込みは性的に活発だった人たちの回数が減っているのが主な原因で、純潔を守る人の増加はあまり影響していないという。

2012年の調査では、女性の半分と男性の3分の2近くが、もっとセックスをしたいと答えている。この願望は、結婚またはパートナーと同居している男女で特に目立っている。

筆頭研究者のケイ・ウェリングス教授は、「現代生活の慌ただしいペース」がセックス回数の減少傾向の理由かもしれないと指摘する。

「最も落ち込んでいるのが『サンドイッチ』世代と呼ばれる中年だというのは興味深い。この世代の男女は仕事と育児、それに老いていく親の世話で忙しいことが多い」

望まない要求、女性が断りやすくなった?

研究者たちはまた、「実際の回数より多めに答えたほうがいいのではないか」という社会的なプレッシャーが小さくなり、ありのままを回答する人が増えたのも原因かもしれないと分析。また、男女平等が進み、女性がパートナーからの望まない要求に応じないようになっていることも影響している可能性があるとしている。

セックス回数の減少傾向は、ソーシャルメディアの使用頻度の高まりや、世界的な経済後退とも関連があるとの見方もある。

回数より質

セックスが減っているのは必ずしも悪いことではないとウェリング教授は言う。「大事なのはセックスの回数ではなく、セックスの意義だ」。

また、「多くの人は、他人は自分たちより定期的にセックスをしていると考えているが、(今回の調査分析で)自分たちの回数が他人とあまり変わらないと知って、安心する人は多いだろう」とウェリング教授は話す。

セックスセラピストのピーター・サディントン氏は「重要なのは質であり量ではない。楽しいと思えれば、またやろうと思うはずだ。まずはセックスの時間をつくる必要がある。自然に生じるのを待つだけでなく、日記に日付を記すのもいいかもしれない」と提案している。

(英語記事 British people 'having less sex'