2019年05月14日 12:20 公開

中国は13日、アメリカが10日に中国からの輸入品2000億ドル(約22兆2000億円)相当への関税率を10%から25%に引き上げたことへの報復措置として、6月1日から600億ドル(約6兆6000億円)相当のアメリカからの輸入品への関税率を最大25%に引き上げると発表した。

対象となるのは牛肉や羊肉、豚肉製品のほか、様々な野菜、フルーツジュースや調理用油、紅茶やコーヒーなど、5000品目以上。引き上げ率は5%から最大25%になるという。

この報復関税は、3日前のアメリカによる対中関税率の引き上げを受けてのもの。

米中貿易戦争の激化により、ダウ平均株価が600ポイント以上も下げて取引を終了するなど、13日の株式市場は急落した。

ドナルド・トランプ米大統領は中国に対し、関税を引き上げないよう警告したが、中国側は利益を害すような「苦い果実(不快な結果)」は受け入れないと反論していた。

中国外務省の耿爽報道官は13日、北京での記者会見で、中国は「国外からの圧力に決して屈しない」だろうと述べた。

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株式市場への影響

13日のヨーロッパとアメリカの株式市場はどちらも下落した。

ニューヨーク株式市場ではダウ平均株価が2.25%安、S&P総合500種が2.49安だったほか、ナスダック総合指数も3.4%安で取引を終了した。

ロンドン株式市場では100種総合株価指数が0.5%、フランクフルト市場とパリ市場では1%以上、それぞれ値下がりした。

米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表と中国の劉鶴副首相による貿易協議は、米ワシントンで9日から2日間の日程で予定通り行なわれたものの、米中間の溝を埋めることができず、合意には至らなかった。

アメリカは、中国の対米貿易黒字は中国政府による国内企業への支援を含む、不公正な貿易慣行の結果だと主張している。さらに、中国は米企業の知的財産権を侵害していると非難している。

米政府は10日、中国からの輸入品2000億ドル相当への関税率を現行の10%から25%に引き上げる制裁措置を発動した。

加えてトランプ大統領は、現在は課税対象外となっている3250億ドル相当の「残りの中国製品に対し、税率25%の関税を追加適用する手続きを開始するよう」 USTRに命じた。

一方でトランプ大統領は13日、これらの追加関税を発動するかどうかは「決断していない」と述べた。

G20で米中首脳会談の可能性

直近の貿易交渉では合意に至らなかったものの、トランプ大統領はアメリカは中国と「非常に良い関係」を築いていると述べ、6月28日と29日に大阪で開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で中国の習近平国家主席と会談する可能性を示唆した。

「もしかすると、何かが起きるかもしれない。みなさんご存知の通り、僕たちは日本で開かれるG20で会うことになっているし、おそらく非常に実りの多い会談になると思う」

これに先立ち、トランプ大統領は中国に対し、アメリカによる関税引き上げに対して報復措置を講じないよう警告していた。

「誰もビジネスのために中国国内に残らなくなる。中国にとっては最悪だが、アメリカにとっては最高だ! 中国はもう長年アメリカを相当利用して、我々を大きく引き離してきた(歴代の米大統領はちゃんと仕事をしなかった)。だから、中国は報復なんてするべきじゃない。もっとひどくなるだけだ!」

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1127886309316599808

トランプ氏はさらに、米国内の消費者は必要な製品を中国ではなく他の販売元から購入することで、関税の影響を回避することができると付け加えた。

「課税の影響を受ける多くの企業は中国を離れて、ヴェトナムや他のアジアの国に移転するだろう。だから中国は貿易協議における合意を取り付けたくて仕方がないんだ!」

関税の被害を被るのは

対中関税を負担するのは中国側だとするトランプ大統領の考えをめぐっては、意見が割れている。

大統領の経済顧問を務めるラリー・クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は12日、米フォックス・ニュースに対し、中国からの輸入品への関税を負担するのは米企業になると認めたほか、その影響で米企業が値上げした場合は、米国内の消費者も負担することになるだろうと述べた。

クドロー氏はさらに、コスト上昇により、アメリカでの中国製品への需要が低下し、中国経済に影響を及ぼす可能性があると指摘。米中貿易戦争の激化で「中国とアメリカ、両方が損害を被るだろう」と述べた。

(英語記事 China hits back in trade war with US