2019年05月16日 12:05 公開

アメリカのドナルド・トランプ大統領は15日、同国の安全保障にとってリスクのある外国企業の通信機器を、米企業が使うことを禁止する大統領令に署名した。

トランプ氏は特定の企業を名指しはしていない。しかし、アナリストたちは大統領令について、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を念頭に置いたものとみている。

トランプ氏は、アメリカのコンピューターシステムをめぐる非常事態だとの考えを強調した。

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「外国の敵たちから守る」

ホワイトハウスは声明で、大統領令は「情報・通信技術のインフラとサービスに積極的かつ急速に脆弱性をつくり出し、それを悪用している外国の敵たちからアメリカを守る」のが目的だと説明した。

また、この大統領令により、商務長官は「安全保障上、許容できないレベルの脅威をもたらす取引を禁止」する権限を持つとした。

連邦通信委員会のアジト・パイ委員長は、大統領令について、「アメリカの通信網の安全を確保する大きな前進だ」と歓迎する声明を発表した。

安保リスクがある外国企業にファーウェイを追加

アメリカをはじめ多くの国々が、ファーウェイ製品は中国政府による情報収集に利用され得るとの懸念を示している。一方、ファーウェイはそうした見方を全面的に否定している。

アメリカはすでに、政府機関でファーウェイ製品の使用を制限しており、同盟国にも同様の措置を求めている。商務省は15日、安全保障上の懸念がある外国企業のリストにファーウェイを追加。同社が米国企業の技術を政府の許可なく入手するのを禁止した。

オーストラリアとニュージーランドは、ファーウェイ製品を次世代通信システム5Gに接続できないようにしている。

「規制は米国に悪影響」

一方、ファーウェイは16日、声明を発表。「アメリカでファーウェイのビジネスを規制しても、同国を安全にも強くもしない。アメリカは技術的に劣る、より高額な代用機器を使うことになり、5Gにおいて遅れを取り、ゆくゆくは同国の企業と消費者たちに悪影響を及ぼすことになる」とした。

さらに、ファーウェイに対する「不当な規制」は「他の深刻な法的問題」を招くと述べた。

ファーウェイの梁華会長は14日、同社がスパイ行為に関与しないとする取り決めを外国政府と交わす用意があるとの考えを明らかにしている。

来月大阪で米中首脳が会談か

中国とアメリカ間の貿易をめぐる緊張が高まる中、トランプ氏の大統領令は中国の反発を招くことが予想される。

トランプ氏は、来月大阪で開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、中国の習近平国家主席と会談する意向を明らかにしている。

一方、中国外務省の耿爽報道官は、トランプ氏と習氏が「さまざまな手段で連絡を維持している」と述べた。

(英語記事 Trump declares emergency over IT threats