2019年05月22日 11:33 公開

アメリカと中国の貿易戦争が深刻化する中、ナイキやアディダスなど世界的な靴メーカー170社が20日、消費者への「壊滅的な」打撃が危ぶまれるとして、ドナルド・トランプ米大統領に対して貿易戦争を終わらせるよう求める公開書簡を出した。

靴メーカーは公開書簡で、関税率を25%に引き上げたトランプ氏の決定について、一般労働者層の家計に過度な打撃を与えることになると抗議。将来的にも業界に悪影響を及ぼすと訴えている。

アメリカでは現在、靴に対する関税率は平均11.3%だが、最高67.5%になっているケースもあるという。

「影響計り知れない」

靴メーカーは、「さらに関税率が25%引き上げられると、アメリカの労働者家族は靴に100%近くの税金を支払うことにもなりかねない。影響は計り知れない」とアピール。

その上で、「この貿易戦争を終わらせる時だ」と迫っている。

公開書簡には、ナイキ(アメリカ)やアディダス(ドイツ)のほか、クラークス(イギリス)、ドクターマーチン(同)、コンバース(アメリカ)など、有名靴ブランドが名を連ねている。

トランプ氏は今月10日、中国との貿易交渉が物別れに終わったのを受け、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆2000億円)相当に対する関税率を10%から25%に引き上げた。

これに対し中国は、アメリカからの輸入品600億ドル(約6兆6000億円)相当に対する関税率を、6月1日から最大25%に引き上げると発表している。

「工場は簡単に移せない」

トランプ氏はこれまで、関税率引き上げへの反対意見が米企業からも上がっていることに対し、国内で製造すれば企業は負担を抑えられると反論している。

その点について靴メーカーや小売業者は、すでに事業所を中国から他に移しているとした上で、「靴製造は高度に資本集約型の産業であり、どこで事業をするかを決めるには長期的な計画が必要だ。状況変化に応じて簡単に工場を移すわけにはいかない」と主張している。

アメリカと中国は、6月に大阪で開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で再び協議する予定。

しかし米政府は関税とは別に今月15日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の通信機器の使用や同社への輸出を規制した。これに対して中国は、報復措置を取る考えを表明している。

(英語記事 Shoe giants urge Trump to end trade war